ミランの新たな希望となるべし フィジカル自慢のCBは苦難を経験して成長せよ

ラツィオ戦ではコレア(右)への対応に苦戦を強いられたトモリ(左) photo/Getty Images

チェルシーからレンタル中の23歳

現地時間26日に行われたセリエA第33節のラツィオ戦に敗れ、ついにその順位が5位にまで後退してしまったACミラン。今季前半戦は目覚ましい快進撃を見せていただけに、この失速を嘆いているファンも多いだろう。

とはいえ、長く続いた低迷の時期を思い返せば、今季の彼らはよく頑張っていると言えるだろう。後半戦に入ってややガソリン切れになった印象も否めないが、シーズンの大半を首位として過ごした事実は今後に向けて明るい材料だ。来季こそは2010-11シーズン以来のスクデット獲得へ。ロッソネリに対する期待感は膨らむ。

では、そんなこれからのミランにおいて、キーマンとなってきそうな選手は誰か。期待したいのはDFフィカヨ・トモリ(23)だ。冬の移籍市場でチェルシーから半年間のローンで加入した同選手。加入以降はDFシモン・ケアーとセンターバックでコンビを組み、ここまで公式戦17試合に出場している。アグレッシブな守備が売りの選手で、フィジカルコンタクトにも強い。CBの枚数に不安を抱えていたミランにとって、戦力として計算できるトモリは良い補強だったと言っていいだろう。
そんなトモリに関して、ミランはレンタル決定時に付帯していた買取オプションを行使することが濃厚だ。伊『calciomercato』によると、同クラブは彼のパフォーマンスを評価しており、来季守備陣における軸として考え始めているという。これまでファイター系のCBが不足していたミラン。それだけに、彼を正式に加入させることができれば頼もしい存在となるのは間違いない。ゆくゆくは守備陣を引っ張る選手になってほしいところだ。

だが、その一方では改善しなければいけない点も見えた。加入後からしばらくは良いパフォーマンスを見せていたトモリだが、試合を重ねてきたことで弱点も露呈している。特に気になったのは先日のラツィオ戦で、同選手はマークの甘さから相手FWに自由にプレイできるスペースを与える場面も散見された。そこを突かれて失点にも関与。試合を通してラツィオFWホアキン・コレアに振り回されることとなった印象は強い。

来季守備陣の軸となるのであれば、トモリは相手FWとの駆け引きを学ばなければいけない。おそらく、このラツィオ戦を見てそう感じた人も多いだろう。とはいえ、トモリはまだ若い。今回の経験を活かしてそれを改善することができれば、23歳のDFは一気にミランの柱となっていく可能性もあるだろう。ミランの“新たな希望”として独り立ちしてほしいフィジカル自慢のCB。直面する課題を一つずつクリアしながら、トモリはスケールの大きな守備者に育っていってほしいところだ。

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