不在時に平均失点数は「0.7」も上昇 ナポリのカギを握るドイツ産“ディエゴ”

ナポリの中盤で守備を引き締める存在となっているデンメ photo/Gettt Images

最終盤はドイツ人MFが大きな役割を担うか

今季はシーズン中盤戦にやや失速したものの、ナポリが再び調子を上げてきた。第23節アタランタ戦での敗戦を最後に、リーグ戦において負けとは無縁の快進撃を披露している同クラブ。一時7位にまで下落していた順位も、現在では4位ユヴェントスと勝ち点差なしの5位にまで回復している。

この調子で快進撃を続けることとなれば、来季チャンピオンズリーグ出場圏内どころか2位でのフィニッシュも見えてくることだろう。現時点でその順位につけているACミランとの勝ち点差は「4」。残り10試合あるだけに、十分現実的な目標だ。

では、ナポリがセリエAを2位でフィニッシュするためのキーマンとなる選手は誰か。おそらく、それは中盤の守備を司るMFディエゴ・デンメだろう。今季は負傷の影響などもあってまだリーグ戦では17試合の出場にとどまっている同選手だが、彼がいるといないでナポリの守備強度はかなり違うものになってくる。実際、デンメを欠いて臨んだ現地時間3日のクロトーネ戦において、ナポリは勝利を手に入れこそしたが3失点を喫している(4-3)。
統計の観点からもデンメの重要性を測ってみよう。今季リーグ戦において、このドイツ人MF不在時(1433分間)におけるナポリが記録している90分あたりの失点数は「1.445」。対して、彼の出場時(1087分間)はこの数字が「0.745」にまで下がる。その差は実に「0.7」。デンメの出場数がそれほど多くないことにも留意しなければいけないが、これは無視できない数字と言えるはずだ。

そのほかにも出場数がそれほど多くないにもかかわらず、タックル数ではチーム3位となる42回を記録しているデンメ(データサイト『SofaSocre』より)。やはり、ナポリの守備強度を上げるためのキーマンとなるのはこの男か。クラブOBの元イタリア代表MFサルバトーレ・バーニ氏も、デンメの貢献度に関しては次のように語る。

「デンメの良さを理解するまで私は少し時間を要することとなったが、今では彼の虜だよ。今のチームの中盤において、デンメは欠かせない存在だ。本当にナポリは彼を獲得して良かったと思うよ」(伊『Radio Marte』より)

現在は全体トレーニングに復帰したとの情報もあり、現地時間7日に行われるユヴェントスとの大一番ではチームの守備を引き締める存在となるか。プレイスタイルこそ違えど、名前の由来はあのディエゴ・マラドーナというデンメ。アルゼンチンの天才が退団してから30年ときが経過したが、ナポリで新たな“ディエゴ”がチームを牽引する存在になろうとしている。

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