抜群の冷静さでチームを救った西大伍 低調レッズの救世主となるか

ベテランの西は浦和に多くをもたらすはず(写真はイメージ) photo/Getty Images

今季初先発も90分間走り抜いた

3日に行われた明治安田生命J1リーグ第7節、浦和レッズ対鹿島アントラーズの一戦は明本考浩のJ1初ゴールとなる先制点を含む2-1で浦和が白星を挙げる結果となった。第3節の横浜FC戦以来となる勝利を手にした浦和は勝ち点を8に伸ばし、下位に沈んでいた順位を11位まで浮上させることに成功した。

3月21日に行われた川崎戦から5人の先発を入れ替えてきた浦和。スターティングメンバーには今季リーグ戦初先発となる西大伍、柴戸海、武田英寿、武藤雄樹の4人が名を連ね、フレッシュなメンバーで試合に臨んだ。

その中でも西は攻守ともに圧巻のプレイを見せる。右サイドバックでの先発となった西は外側にポジションを取るだけでなく、中に入って中盤に加わるいわゆる偽サイドバックを披露。ボランチでの出場となった柴戸、小泉佳穂と共にミドルサードでの組み立てに貢献した。後方でのビルドアップでもベテランならではの落ち着きを見せ、足元の技術に少し不安のあるセンターバック陣をサポートし、新監督であるリカルド・ロドリゲスが志向するポゼッションサッカーの体現者としてチームを活性化させていた。
西の落ち着きは攻撃時も健在だった。ハーフウェイライン付近でボールを持つと、相手に寄せられながらも、冷静に周りを見渡して何度も前線にフィードを供給し、好機を演出していた。先制点の場面はまさに西のフィードからゴールが生まれている。

右サイドハーフでの先発となった関根貴大との相性の良さは、4試合得点の無かった浦和攻撃陣を躍動させた一つの要因であると言える。攻撃時に高いポジションを取る関根は対峙する永戸勝也を苦にしていなかったため、西の位置が遠くても一人で好機を作り出せていた。そのおかげで、西は中にポジションを取ることができ、中盤を厚くして攻撃を繰り返す。この試合で特に好機につながったわけではないが、この二人の強力な組み合わせは今後、浦和の武器になるはずだ。

負傷により開幕が遅れていた西だが、さっそく結果を出したのはさすがの一言に尽きる。この試合は90分間フル出場し、終盤にもスプリントするなど好調をキープしているようだ。次節は7日の清水戦となっており、今日のパフォーマンスであれば先発が予想される。清水戦も右サイドで躍動する西に期待したい。

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