超攻撃的サイドバックが“主役”になる時代だ セリエAでサイドを疾走する5人

パルマ戦で得点を決めてガッツポーズを見せるテオ・エルナンデス photo/Getty Images

圧倒的な攻撃力でピッチを支配

今やサイドバックやウイングバックが攻撃のキーマンとなるのが当たり前の時代だ。今季のセリエAを見ても、攻撃面で圧倒的な違いを生み出す者が目立つ。

例えばミランの左サイドバックを務めるテオ・エルナンデスだ。ミランは先日パルマと2-2で引き分けたが、2得点ともネットを揺らしたのはエルナンデスだった。ビルドアップ時にはエルナンデスが高い位置を取っており、サイドバックながら貴重な得点源の1つとなっている。

エルナンデスは昨夏レアル・マドリードから2000万ユーロの移籍金で加入した選手だが、ミランでは通算54試合に出場して10得点9アシストの成績を残している。数字だけ見ればサイドバックの選手とは思えないだろう。
今季はドリブル成功数も22回を記録しており、これはセリエAでプレイするサイドバックの中では最多だ。爆発的なスピードを活かした攻撃参加は世界トップクラスと言える。

そのエルナンデスに続く19回のドリブルを成功させているローマの27歳DFレオナルド・スピナッツォーラも興味深い選手だ。こちらはドリブル失敗も26回と目立つが、それだけ積極的に仕掛けている証でもある。5-1で勝利した13日のボローニャ戦でも2アシストを記録しており、ローマの左サイドにスピナッツォーラは欠かせない。

さらに左サイドではヴェローナでプレイする23歳のフェデリコ・ディマルコも印象的だ。左のウイングバックとして今季23本もキーパス(シュートに直結するパス)を出しており、これはセリエAでプレイするサイドバックとウイングバックの中では最多だ。ディマルコはインテルからレンタル移籍している選手で、インテルサポーターの中にはクラブで見てみたいと考えている者も多いだろう。

インテルで活躍するハキミ photo/Getty Images

攻撃的な位置からのコンバートも効果的

右サイドの方に目を向けると、今夏レアルからインテルへ移籍したアクラフ・ハキミ、そしてユヴェントスですっかりウイングバックとサイドバックが板についたファン・クアドラードの存在が大きい。

ハキミはすでにリーグ戦で3得点3アシストを記録しており、自らゴールまで奪ってしまうところはテオ・エルナンデスとの共通点か。ウイングバックながら中に入ってプレイすることも可能で、ただ縦へ疾走するだけの選手とは違う。

クアドラードの場合は元より攻撃的な位置でプレイしてきた選手ということもあり、高い位置でボールを持たせると怖い。今季はチャンピオンズリーグも合わせると9アシストも記録しており、クアドラードのクロスからクリスティアーノ・ロナウドの高さを活かせれば理想的だ。

キーパス数もディマルコに続いてサイドバックとウイングバックの選手ではセリエAで2番目に多い19本を記録。ユヴェントスにとっては貴重な攻撃オプションだ。

サイドバックの選手は守備も大事な仕事ではあるものの、彼らの攻撃力は守備のことを忘れさせるほどのインパクトがある。今後は世界でもクアドラードのように攻撃的な位置からサイドバックにポジションを下げていくケースも増えていくかもしれない。対戦相手を悩ます彼らの強烈な攻撃参加も今のセリエAの面白いポイントだ。

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