決定力と確実性を兼備する“必殺仕事人” 33歳でも輝き続けるアスパスの衝撃

33歳を迎えながらもセルタで圧巻のパフォーマンスを披露し続けるアスパス photo/Getty Images

中堅クラブを力強く牽引する男

2020-21シーズン、中堅クラブでプレイするストライカーが33歳を迎えた今もなお最高級の輝きを放っている。いったい、この男はいつまでゴールを奪い続けるのだろうか。その33歳とは、セルタに所属する元スペイン代表FWイアゴ・アスパスのことである。

2015年夏のセルタ復帰以降、大黒柱として愛するチームのために驚異的な成績を残し続けてきたアスパス。ビッグクラブからの誘いにも乗ることなく、セルタではここまで通算358試合に出場しクラブ歴代トップの159ゴールを挙げている。近年残留争いに巻き込まれることも多い同クラブだが、彼らが今もトップディビジョンでプレイすることができているのは、間違いなくアスパスの活躍によるところが大きい。

そんなベテランFWは今季も絶好調。ここまでリーガ・エスパニョーラでは得点ランキングトップタイの7ゴールをマークしており、そのパフォーマンスに翳りは見えない。なにより注目したいのはその決定力で、同選手は今季たった22本のシュートで7得点を奪っている。つまり、シュート成功率は31.82%。これは2020-21シーズンに20本以上のシュートを放っている選手の中でトップの数値だ。2番目に高いレアル・ソシエダFWミケル・オヤルサバル(30.43%)には肉薄されているものの、3番手につけるアトレティコ・マドリードFWルイス・スアレス(22.73%)とは実に10%近い差がついている。

相手からハードなチャージを受けることもあるが、アスパスはしっかりと結果を残している photo/Getty Images

興味深いデータはほかにも

そのほかにも、今季のアスパスがいかに驚異的なパフォーマンスを披露しているかが見て取れるデータは多い。そのひとつである地上戦のデュエル勝率は59.43%と高水準をキープしており、今季50回以上の地上戦勝利数を記録しているFWの中で最高値を叩き出している。

そして、被ファウル数も興味深い。アスパスがファウルを受けた回数はここまで28回。これはバルセロナFWリオネル・メッシ(29回)に次いで2番目に多い数字だ。長年結果を残してきた選手だけに、アスパスは相手からは大いに警戒される存在となっていることが窺える。しかし、そんな状況でも確実に仕事をこなしているのはさすがとしか言いようがないだろう。

「これは僕個人の意見だが、イアゴは今スペインで最高のストライカーだと思う。この調子で行けば、シーズン30ゴールや40ゴールも夢ではないね。だが、それを達成するためには僕も含めた他のチームメイトの助けが必要だ。僕らは一生懸命走らなければならない。それを実行した上で、彼が7月までの間にどれほどのゴールを決めるか見てみようじゃないか」

スペイン『MARCA』によると、現地時間14日に行われたカディス戦後にセルタのチームメイトであるFWノリートは、この試合でも得点を挙げたアスパスについてこのように語っている。たしかにこの活躍を見れば、同選手がそう思うのも無理はないか。中堅クラブで暴れる33歳のストライカー。はたして、アスパスは今季いったいどこまでその得点数を伸ばしてくるのか。百戦錬磨の点取り屋が披露するゴールショーからは、これからも目が離せない。(記事内データは『SofaScore』より)

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