ファギーが愛した“守備型アタッカー” ピルロを潰した韓国の英雄への称賛

マンUで活躍したパク・チソン photo/Getty Images

ルーニーも絶賛するその献身性

クリスティアーノ・ロナウドやウェイン・ルーニーを中心とした2000年代後半のマンチェスター・ユナイテッドは、チャンピオンズリーグを制するなど大きな成功を収めた。

しかし、そのチームにおいて忘れてはならない陰の英雄がいる。名将アレックス・ファーガソン氏も重要視していた元韓国代表MFパク・チソンである。

パク・チソンはアタッカーではあるものの、ファーガソン氏が1番に期待していたのは圧倒的な運動量だ。トップ下の位置に入って相手のアンカーを抑え込むこともあり、「守備型アタッカー」と言ってもいい存在だ。
英『Sunday Times』によると、チームメイトだったルーニーもパク・チソンが非常に重要な選手だったと語る。

「12歳の子にクリスティアーノ・ロナウドについて聞けば、彼らはユナイテッドにとって素晴らしい選手だったと答えるだろう。だけどもしかしたら、パク・チソンについては知らないかもしれない。それでもパク・チソンとプレイした僕たちは彼の重要性を理解している」

中でもルーニーが強く記憶しているのが、2009-10シーズンのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦・ミラン戦である。ファーガソン氏はこのゲームでパク・チソンに相手の司令塔アンドレア・ピルロ封じを命じる。パク・チソンは守備型トップ下としてこの任務を完璧に遂行したのだ。

「ミラン戦の前にファギーが言ったことを覚えている。パク、君の仕事はボールに触れることでもパスを出すことでもない。ピルロだ。全ての仕事はピルロだと。当時のピルロは1試合平均110本ほどパスを出していて、そのうち60本〜70本は前線へのものだった。だからこそファギーは言った。パスを許すなと。1ヤードも1秒の遅れも許されない。そしてあのゲームでピルロは40本ほどしかパスを出さなかったし、そのうち95%は後方へのパスだったと思う。なぜならパクが自身のミッションをこなしたからだ」

ピルロのような司令塔にとって、90分間ずっと自分についてくるパク・チソンのような選手は最悪の相手と言っていい。しかもパク・チソンはミラン戦の2ndレグで得点まで奪い、チームの2戦合計7-2勝利に貢献している。1stレグ、2ndレグの両方で2点ずつ奪ったルーニーの方が主役として後世に語り継がれるだろうが、パク・チソンが貫いたアンビリーバブルな仕事も忘れてはならない。

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