4月9日、イタリア『calciomercato』は「シルバのエージェントがACミランと接触」と報じた。止めた方がいい。経営側と現場の意見がまったく合わず、ミランは沈没寸前だ。クラブの将来を担うはずだったジャンルイジ・ドンナルンマも、泥船からの脱出を企てている。クラブのレジェンドで、現在はテクニカル・ディレクターを務めるパオロ・マルディーニも退団濃厚だ。安っぽいメロドラマよりも人間関係が歪んでいる。シルバの新天地としてふさわしくない。
すると、やっぱりヴィッセル神戸にやって来るのかって期待が膨らんでくる。アンドレス・イニエスタと華麗なる共演!? ワクワクするじゃん。
可能性がないとはいえないよね。イニエスタの加入でJリーグが見直され、なおかつこの天才MFが日本のすばらしさをSNSで発信してくれる。ムーチャス・グラシアス、アンドレス。だから神戸も、シルバの選択肢に含まれているはずなんだ。ご家族の環境も含め、東アジアなら日本一択だよ。
ただ、コロナ禍で世界が激変した。見知らぬ土地で暮らすよりは、慣れ親しんだイングランドで、あるいは故郷のスペインに戻り、リラックスして最終章を描く、というプランがシルバのなかにあっても不思議じゃないでしょ。言葉が通じるところは大きなアドバンテージだと思うんだ。
だから、いまは噂にもなっていないけれど、古巣バレンシア復帰もありうるんじゃないかな。幕の引き方としては悪くない。そういえば……。
「現役生活の最後をスペインで飾れたら、さぞかし幸福だろうな」
シルバも、数年前からフィナーレを意識していたんだよね。
文/粕谷秀樹
スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。
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