静かに闘志を燃やす25歳のチェス好きアタッカー エンベウモが語った移籍決断の裏側

ユナイテッドに完全移籍したエンベウモ Photo/Getty Images

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“勝者の哲学”に心を動かされた

マンチェスター・ユナイテッドに加入したブライアン・エンベウモは、チェスを趣味に持つことでも知られる。駒を慎重に進めるように、ブレントフォードとの移籍交渉が長引く中でも冷静さを失うことはなかったという。『The New York Times』が報じている。

移籍実現までにかかった時間は44日。交渉は苛立ちを含んだものとなったが、エンベウモは一貫して「ユナイテッド行きは決まる」と信じていた。「自分の周りにいる人たちを信頼していた。移籍市場は長く感じることもあれば、あっという間に進むこともある。だからこそ、ポジティブに構えて待っていた」と語る。

トッテナムやニューカッスルも関心を示していた中、彼の心を動かしたのはルベン・アモリム監督だった。「勝ちたいという情熱が伝わってきた。話も建設的で、プロジェクトの内容に強く惹かれた。他の監督とも話したが、ユナイテッドの提案が最も自分に合っていた」と明かしている。
決断を後押ししたのは、代表で共闘するアンドレ・オナナの存在も大きかった。「彼は『来てくれ』と言ってくれた。そういう仲間がいるのは心強い」と笑顔で語った。

ピッチ外では、エンベウモは静かな知性を漂わせている。チェスの他にもピアノ演奏を趣味とし、「ピアノは完全に自分の時間。緊張もするが、リラックスできる。人前で弾くのは苦手だが、自己流で続けている」と話す。

プレイ面では、アモリム体制の[3-4-2-1]における右サイドのシャドウとして構想されており、ウイングバックでの起用も視野に入れている。「現代サッカーでは適応力が求められる。自分は特定のポジションにこだわらず、必要とされる役割をこなしたい」と語った。

昨季プレミアリーグで20ゴールを挙げた25歳は、新シーズンに向けても意気込みを語る。「自分は常に昨日の自分を超えたい。限界は作りたくない。挑戦が好きで、勝利のために戦いたい」

アモリム監督の下で、エンベウモは新たなステージでも冷静に“戦術盤”を読み解いていく覚悟である。

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