ドルトムントが見せる“ヤングスター・マジック” 移籍での利益が凄まじい

今季も様々な若手が順調な成長を見せているドルトムント photo/Getty Images

これが育成型クラブの理想か

ドイツ・ブンデスリーガのドルトムントは世界でも有数の“選手を育てて売る"クラブだ。確かなスカウティングの腕により世界各国から有能な若手を早い段階で確保し、世界最高峰の選手に成長させてからビッグクラブへ売りに出す。そのノウハウは今や世界一のものを持っていると言っていいのではないだろうか。

近年ではFWロベルト・レヴァンドフスキこそ移籍金ゼロで手放すこととなってしまったが、FWピエール・エメリク・オバメヤンやFWウスマン・デンベレ、FWクリスティアン・プリシッチ、MFイルカイ・ギュンドアンといった選手をビッグクラブへ売却し高額な利益を手にしている。後にチームへ復帰したMF香川真司、MFマリオ・ゲッツェ、DFマッツ・フンメルスなども同様だ。

そんな中、英『THE Sun』がこのドルトムントの選手育成&売却術に注目。若手選手の転売で同クラブが獲得したお金がとんでもない数字となっていることを紹介している。同メディアはドルトムントの“過去売却額トップ10”の選手をリストアップしているのだが、その利益総額はなんと3億2000万ユーロ(約383億円)。驚きの金額だ。

現在欧州複数ビッグクラブから熱視線を受けるサンチョ。次に高額な移籍金をもたらすのはこの男か photo/Getty Images

さらにドルトムントの育成型クラブとしての面が如実に表れている比較も。彼らがクラブ史上最も高値で放出したのが1億3000万ユーロ(約155億円)でバルセロナへ放出したデンベレであるのに対し、獲得した選手の最高額は昨夏バイエルン・ミュンヘンから復帰したフンメルスの3180万ユーロ(約38億円)だ。その徹底ぶりが見て取れるデータと言えるだろう。

さらに、復帰したフンメルスは特殊なケースと言えたが、獲得する選手の年齢もそのほとんどが10代や20代の選手。クラブ移籍金ランキングでフンメルスの次にくる30代選手を探そうと思ったならば、64位のヨルク・ハインリヒ(2000年夏、410万ユーロ)まで順位表をチェックしなければならない。

徹底した若手路線を継続しつつも、欧州屈指の強豪クラブとしての地位を確立しているドルトムント。まさに育成型クラブの理想型とでも言うべきか。育った選手の移籍金を使って、また新たなビッグタレントを探す。ドルトムントが常に有能な若手選手を輩出しているのもうなずける。

『THE Sun』が紹介した10名は以下の通り(加入時移籍金/放出時移籍金/利益額)

・ウスマン・デンベレ(1560万ユーロ/1億3000万ユーロ/1億1440万ユーロ)

・クリスティアン・プリシッチ(フリー/6660万ユーロ/6660万ユーロ)

・ピエール・エメリク・オバメヤン(1350万ユーロ/6640万ユーロ/5290万ユーロ)

・ヘンリク・ムヒタリアン(2870万ユーロ/4370万ユーロ/1500万ユーロ)

・マリオ・ゲッツェ(2290万ユーロ/3850万ユーロ/1560万ユーロ)

・マッツ・フンメルス(3180万ユーロ/3640万ユーロ/460万ユーロ)

・アブドゥ・ディアロ(2910万ユーロ/3330万ユーロ/420万ユーロ)

・イルカイ・ギュンドアン(580万ユーロ/2810万ユーロ/2230万ユーロ)

・パコ・アルカセル(2180万ユーロ/2810万ユーロ/630万ユーロ)

・ユリアン・ヴァイグル(270万ユーロ/2080万ユーロ/1810万ユーロ)

利益合計額 3億2000万ユーロ(約383億円)

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