内田篤人と同僚だったイケメンFWの爆発 苦労重ねた“リトマネンの後継者”

ノリッジのプッキ photo/Getty Images

29歳にして才能が完全開花

フィンランドを代表するフットボーラーといえば、アヤックスやバルセロナでも活躍したFWヤリ・リトマネンだ。フィンランドの年間最優秀選手賞に何度も輝き、アヤックスではチャンピオンズリーグ制覇にも貢献。エールディヴィジ得点王にも輝いたことがある派手な経歴の持ち主だ。

リトマネンは2011年をもって現役を引退したが、当然フィンランドでは彼の後継者探しがスタートしていた。その時大きな期待を受けていたのが、現在ノリッジ・シティのエースとなっている29歳FWテーム・プッキだ。

プッキは今でこそ短髪だが、若い時は派手な金髪をなびかせる甘いマスクの持ち主だった。10代の頃より才能を評価され、17歳の若さでセビージャに引き抜かれることになる。
ところが、プッキの国外挑戦は早すぎたのかもしれない。今回英『BBC』がプッキのキャリアを振り返っているが、プッキは確かに才能がある選手だった。問題はビッグクラブへ挑戦するタイミングが少しばかり悪かったのだ。

結局セビージャでは成功できず、2年後の2010年に母国のHJKヘルシンキへ移籍。そこで結果を残し、1年後にはドイツのシャルケへ移籍する。ただ、当時のシャルケといえばDF内田篤人も所属していた時期で、前線にはクラース・ヤン・フンテラールとレジェンドのラウール・ゴンザレスがいた。若いプッキがポジションを掴むにはハードな環境だったのだ。

シャルケでも満足な結果は残せず、その次に移籍したスコットランドのセルティックでも苦労することになった。徐々に期待の若手との評判は消え、忘れられた存在となってしまった。しかし、プッキの才能そのものが消えたわけではない。

プッキは2014年に移籍したデンマークのブレンビーIFで見事に復活を果たし、2018年には当時イングランド2部だったノリッジへ。そこで得点力が爆発し、プレミアリーグ昇格の原動力となった。ノリッジでの成績は凄まじく、ここまで通算54試合に出場して36得点12アシストをマークしている。プレミアリーグでの活躍から再び注目を集めており、29歳にして才能の完全開花の時を迎えたのだ。

プッキのストーリーはまだ終わらない。今プッキがチャレンジしているのは、フィンランド代表でのEURO2020本大会出場だ。現在フィンランドはグループJで2位につけている。プッキはEURO2020予選でも5得点を記録しており、代表の舞台でも爆発を続けているのだ。

同国のレジェンドであるリトマネンは代表通算32得点を記録しているが、プッキは現在20得点まで数字を伸ばしている。残り12得点ならば、レジェンド超えを果たすことも不可能ではない。新たなリトマネンと呼ばれた男が本家超えの記録を作るかもしれない。

やや遠回りなキャリアとなったが、プッキは全盛期を迎えている。ノリッジでのサプライズを続け、フィンランド代表としてEURO2020を戦うことができれば最高のシーズンとなるだろう。

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