[MIXゾーン]酒井高徳が1ヶ月半で“超豪華軍団”にもたらしたもの 神戸が変わった理由とは

川崎戦で攻守にわたり存在感を発揮した酒井高徳(左)photo/Getty Images

主将を務めたハンブルガー時代の経験が活きる

ヴィッセル神戸は28日、明治安田生命J1リーグ第27節で川崎フロンターレと対戦した。アウェイでの戦いとなったが、FWダビド・ビジャとDF大崎玲央のゴールでスコアを2-1とした神戸。18日の天皇杯・ラウンド16に続いて、難敵である川崎から連勝を奪うことに成功している。

今夏の移籍市場でJリーグ復帰を果たし、神戸に加入した元日本代表DF酒井高徳。8月中旬の神戸デビューから前試合までで公式戦5試合に出場し、その間の成績は4勝1敗と、ここにきて調子を上げているチームの原動力となっている。そして、この一戦でも左サイドを任されると、試合の流れを読んでうまくチームのバランスを取るなど、攻守にわたって好パフォーマンスを披露し、勝利に貢献した。そんな酒井が試合後、次のように語っている。

まず、自身が加入した後のチームの変化について「チームが上向きになっていると思うし、みんなの意識が変わっている。自分ありきだとはもちろん思っていないですが、自分が(神戸へ)来たときのイメージというのがつかめてきた。守備のところでしっかりとした守備をするというのが、得点をもたらす一番のカギかなと思っていたので、自分のところでそこはしっかり意識してやっています。それがうまくいっていることによって、より攻撃にみんなの力が向いている。元々攻撃の能力があって得点も取れていたのに、守備でいらない失点をして(試合を)難しくしている印象がすごい強かった。それが自分が入ることによって、守備を安定させるというのは意識しているところです。そのバランスが整ったことで、いつも通りの攻撃力を発揮して勝っているのかなという感じです」と明かした。

では、なぜチームの意識が変わったのか。もしかしたら酒井の行動力がチームを大きく変化させたのかもしれない。「自分は要求しているし、自分がそれを見せることによって、チームもそれを必要としなければいけないんだと思う。それを若手にも言っているし、『もっと強くやれ』と、『練習からもやれ』と。どれくらいやらないとけないのかというのを一度知らないと、やっているようでやっていないとか、どの程度やればいいか、なかなかわからない。その中で、自分がウェリ(ウェリントン)だったり、トーマス(ヴェルマーレン)だったりとガチガチやったりしているのを見て、感じ取ってくれていると思う」とコメント。さらに、ドイツの名門ハンブルガーSVで、チームのキャプテンを務めた経験もいまに活きているようだ。

「(ハンブルガーでは)非常に人間としても大きくさせてもらったし、選手としても経験値を高めてもらった。その経験値を活かしてプレイできるというのは随所にも出ているかなと思う。ただ、一番は試合中にお互い声をかけることによって、しっかり関わり続けるというか……。神戸に来た当初は、誰も喋らずになんとなく試合をこなしていた。喋れば一言で終わるところを、無理に10m走ったりとか、15mを自分でなんとかしたりとか、一言言えば助かるのにという雰囲気があった。なんで喋らないんだろうと思ったけど、今は遠くにいても声をかけている。常にGKを含めた11人が関わり続けるという感覚を“伝える”というのが、(ハンブルガーで)キャプテンをやっていた時も大事だった。誰一人として集中力を切らさないというのを自分が声をかけて、あるいは近くのヤツにああ言えこう言えと言ってコミュニケーションを取るというのが大事だと思っていた」

周りの状況を的確に把握して、時には陰ならチームを支えたり、時にはお手本となるような行動でチームを正しい道へ導いたりと、加入からわずか1ヶ月半ですでにリーダー的な存在となっている酒井。「ただ正直に言うと、自分のやりたいことをやれるなと思って(神戸に)来たんですけど……。チームに必要な役割だったりとか、どういうリズムやテンポが必要だったりとかを考えてやってみたら、意外とそっちの方がチームとしてはまった。なので今は、よりチームを見ながらプレイしています。そういう意味ではハンブルガーにいた時と一緒です。本当はこっちに来る前はガンガン行ってやろうと思っていたんですけどね(笑)」といった素直な心境も話していたが、終始笑顔で囲み取材に対応してくれ、その顔から神戸での充実感がうかがえた。Jリーグの“超豪華軍団”を大きく変えてみせた酒井の今後の活躍にも注目だ。

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