伝説の”ジェラード劇場” イスタンブールの奇跡起こした闘将の言葉

イスタンブールの奇跡起こしたジェラードたち photo/Getty Images

今回の決勝でリヴァプール引っ張るのは誰?

6月1日、リヴァプールは昨季に続いてチャンピオンズリーグ決勝の舞台に立つ。優勝するためにはハイレベルなパフォーマンス、対戦するトッテナムの分析、的確な戦略など必要な要素が様々あるが、気持ちの強さも必要不可欠なものだ。

英『Sportbible』はイスタンブールの奇跡と呼ばれた2004-05シーズンのチャンピオンズリーグ制覇を振り返っているが、当時は圧倒的なリーダーシップを誇るスティーブン・ジェラードがいた。ミランに前半だけで3点のリードを許してしまったが、リヴァプールは後半に怒涛の猛攻で追いつき、PK戦の末に優勝を果たしたのだ。

そこには気持ちの強さがあった。0-3とリードされて迎えたハーフタイムに、ジェラードはチームメイトに奮起を促すスピーチをおこなっている。モチベーションを高めるためのものだが、当時のチームメイトだったジブリル・シセはこう振り返っている。
「ジェラードがおこなったハーフタイムのスピーチを絶対に忘れない。まずは監督のベニテスがドレッシングルームに入り、諦めてはならない、早い時間帯に得点を奪う必要があると話したんだ。するとスティービーが立ち上がり、コーチングスタッフに全員出て行くよう求めた。選手たちだけの時間を取りたかったんだ。スティービーはリヴァプールが彼の全てであり、CLの歴史で笑い者にはなりたくないと語った。もし自分を主将としてリスペクトし、愛してくれるならば、試合の流れを取り戻せと。彼は後半最初のゴールを決めたし、PKも獲得した。後半の彼は凄かった。最終的には右サイドバックをやっていたからね。クレイジーなゲームだった。それでも、ハーフタイムのスピーチが何より心に残っているよ」

ジェラードはクロスに頭で合わせて追撃のゴールを決めると、サポーターに盛り上がるよう指示。まさに気持ちの強さでミランを呑み込んだ瞬間だった。今季決勝の相手はトッテナムだ。同じイングランド勢ということもあって手の内は知っているはずだが、気持ちを押し出さなければ勝つのは難しい。今季のチームを引っ張るのは誰なのか。イスタンブールの奇跡以来の優勝へチャレンジする時が近づいている。

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