シャビ、ベイルと比較される逸材もいたのに フラムが降格した原因とは

プレミアで失望味わったフラム photo/Getty Images

1シーズンで2部へ

今季開幕前、プレミアリーグに昇格してきたフラムへの期待度は高かった。開幕前にはスウォンジーからDFアルフィー・モーソン、アーセナルからDFカラム・チャンバースをレンタルで獲得。さらにはFWアンドレ・シュールレ、シャビ・エルナンデスとも比較されたMFジャン・ミシェル・セリも獲得するなど、攻守両面で印象的な補強もあった。

しかし、結果は1シーズンでのプレミア・チャンピオンシップ(イングランド2部)降格が決定。監督交代にも2度踏み切ったが、最後までチームを立て直すことはできなかった。

英『Squawka』がいくつか降格の原因を挙げているが、フラムのどこに問題があったのか。

1.最終ラインの顔ぶれを変えすぎた



指揮官が2回変わっていることも関係しているだろうが、フラムは今季33試合戦って20通りもの最終ラインを試している。これはGKも含まれているが、システムも3バックや4バックなど一貫性に欠け、守備陣の連携を高めることができなかった。33試合を消化して失点数76はリーグでもダントツの多さだ。これでは降格しても仕方がないだろう。

2.新加入選手の起用



シュールレ、セリ、モーソンなど実力者を加えたのはいいが、新戦力と既存戦力の融合は思うように進まなかった。昨夏の市場では7人を完全移籍で加え、5人をレンタルで補強。計12名もの新戦力を迎えたが、同メディアは新戦力をどう組み込んでいくかの見通しが甘かったと見ている。

サポーターの期待に応えるべく新戦力を積極的に起用したことで、昨季プレミア昇格を果たした結束力が失われてしまったのではと考えられているのだ。ネームバリューのある選手を揃えることには成功したが、上手く活かせなければ意味はない。

3.ラニエリもチームを救えず



クラウディオ・ラニエリといえば2015-16シーズンにレスター・シティを奇跡のプレミア制覇に導いたことが記憶に新しく、就任した当初はレスターの奇跡をフラムでもなんて意見も聞かれた。しかし、同メディアは間違った選択だったと切り捨てている。

ラニエリはより守備的なスタイルで戦うことを求め、その結果として前指揮官スラヴィシャ・ヨカノビッチが残した哲学をチームから消すことになってしまったと批判されている。

4.ライアン・セセニョンは期待はずれに



これは降格の直接的な理由とはならないが、フラムにはガレス・ベイル2世などと呼ばれて期待されていた18歳のMFライアン・セセニョンがいた。左のサイドバックからウイングまでをこなし、昨季は2部で15得点を記録。イングランドA代表にも選ばれるのではないかと期待されていたのだが、今季はプレミアリーグで失望を味わうことになった。

ただ、同メディアは成長させるためにプレイタイムを辛抱強く与え続けるべきだったと主張している。前半戦のセセニョンはフル出場することも多かったが、11月14日より就任したクラウディオ・ラニエリはセセニョンを信頼しなかった。プレイタイムはそれまでの平均76.42分から46.85分にまで減り、セセニョンに成長の機会を与えられなかったことも同メディアはネガティブなものと訴えている。


フラムへの期待はまずまずのものがあったが、チームの形を見失ったまま降格してしまったイメージだ。33試合76失点はさすがにダメージが大きく、来季からはプレミアでどう戦っていくのか再考する長い旅がスタートする。2013-14シーズン以来の昇格だったが、また1からのやり直しだ。

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