ヤマルがオーウェンのように怪我で潰れてしまう恐れも? 再びの鼠蹊部負傷に警告「選手生命の搾取よりも育成を優先すべき」

バルセロナでプレイするヤマル photo/Getty Images

続きを見る

10代の選手に現代のサッカー環境は過酷過ぎる

10代の頃からトップクラスのパフォーマンスを見せながら、その後怪我でキャリアが停滞してしまった選手の事例は過去に何度もあった。

今『ESPN』が心配しているのは、バルセロナFWラミン・ヤマルの状態だ。ヤマルは鼠蹊部にトラブルを抱えており、再びの故障でまた2〜3週間ほど離脱することになった。

ヤマルは2023年4月のレアル・ベティス戦で15歳と9カ月の若さでトップチームデビューを果たし、そこから一気にスターへの階段を駆け上がってきた。スペイン代表では昨夏のEURO2024制覇にも貢献しており、今やバルセロナ&スペイン代表の絶対的主力だ。
しかし、まだ身体が成長段階の18歳であることも忘れてはならない。ヤマルはすでにクラブと代表で130試合以上に出場していて、18歳の誕生日を迎えるまでに8158分間もトップチームで出番を得ている。

国際サッカー選手会(FIFPRO)のハイパフォーマンス・アドバイザリー・ネットワークの議長を務めるダレン・バージェス博士は、20歳までの稼働率には注意が必要だと警告を発する。

「現代サッカーのインテンシティの高まりは、プロ選手全員にとって厳しいものだ。しかし、16歳から20歳の選手にとってはリスクがさらに大きくなる。心身がまだ発達途上にある段階で過密日程、高強度のトレーニングを繰り返すと、パフォーマンスと選手寿命の両方に深刻な影響を与える可能性がある」

「成長板、腱、靭帯は10代の時期はまだ脆弱な段階にあり、過度なスプリントやリカバリー期間の短さは長期的な身体損傷につながる恐れがある。スポーツ界が次世代の育成に真摯に取り組むのであれば、選手生命の搾取よりも育成を優先すべきだ。そうすることで初めて若い才能が永遠のスターとなるチャンスを得られるのだ」

同メディアは早熟の天才の事例として元イングランド代表FWマイケル・オーウェンを紹介している。オーウェンも10代からリヴァプールで大活躍したが、その後は怪我でピーク状態を維持できなかった。全盛期と呼べる期間が極めて短かった選手と言える。

ヤマルもそのルートに入ってしまう恐れがあると同メディアは警戒していて、バルセロナとスペイン代表はヤマルの復帰を急ぎすぎない方がよさそうだ。才能は抜群なだけに、怪我でそれが失われてしまうことだけは避けなければならない。



記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.309 プレミア新4強時代

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ