テクニシャン揃いのアーセナルにギェケレシュは場違い!? だがそれがいいとネビル氏「小さなチームをぶちのめしてくれる」

アーセナルにおいては異質なギェケレシュ Photo/Getty Images

パワー型のストライカーだ

プレミアリーグ第4節で、ノッティンガム・フォレストに3-0と快勝したアーセナル。マルティン・スビメンディが2ゴールを決めたほか、ヴィクトル・ギェケレシュも1ゴールを決めることができた。

後半の立ち上がり、ロングボールに反応して抜け出したエベレチ・エゼがグラウンダーで折り返すと、そこに詰めていたギェケレシュがタップイン。繊細な技術を持ったアーセナルのスカッドにおいて、異質なパワー型ストライカーであるギェケレシュだが、これで4試合3ゴールとなり、新ストライカーはアーセナルでまずまずの滑り出しを見せることになった。

元イングランド代表DFガリー・ネビル氏は、自らのポッドキャストでギェケレシュの存在意義について語っている。

「ギェケレシュ……。彼にとっては良い日となった。問題は、アーセナルにはスビメンディ、(マルティン・)ウーデゴー、(ノニ・)マドゥエケ、エゼといった繊細な選手がたくさんいるのに、ギェケレシュは場違いだということだ。技術的に優れているわけではないという意味で、あの選手層には合わない。でも、私はむしろそのコントラストが好きだ。不恰好な強敵といった存在がいるというアイデアがね。彼は小さなチームをぶちのめしてくれると思う」

「彼がビッグゲームで活躍し、ゴールを決めるかどうかはまだ未知数だ。最高のディフェンダーなら、彼に対応できるかもしれない。これから見ていきたい。でも、(ギェケレシュは)アーセナルのためにスモールチームを圧倒するだろう。それは悪いことじゃない。ゴールをたくさん決めているし、今シーズンは20ゴールを挙げることができる。彼ならそれができるだろう。必ずしもビッグチーム相手にばかりプレイする必要はない。ただ、序盤から彼が真の脅威、厄介者になるためには、アーセナルの攻撃には少し不完全な部分が必要だと思う。ペナルティエリアにもっと早くボールを運び込める選手が必要かもしれない」

アーセナルは昨季、守備を固める格下のクラブ相手にいくつも勝ち点をとりこぼし、それが最終的にリヴァプールとの埋められない差となってしまった。ギェケレシュの存在は、そういった相手から勝ち点を奪うために重宝するかもしれない。そのためにはあまり綺麗に崩そうとせず、ときには強引に、手数をかけずにゴールに迫ることも必要だとネビル氏は述べている。元イングランド代表MFのジョー・コール氏も同じ意見のようで、フォレスト戦のゴールシーンを振り返りながら『Premier League Produitions』で次のように述べている。

「彼から最高のパフォーマンスを引き出すには、早い段階でペナルティエリアにボールを入れる必要があると思う。ハーフタイムに、ボールに触りすぎていると強調したけれど、これ(エゼのアシスト)はそうしない素晴らしい例だ」

「素晴らしいオーバーパスだが、ウインガーにとってもっとも難しいのは、それをギェケレシュの皿に乗っけるということだ。ファーストタッチのボール、早いボール、それがまさに彼が要求していることだ」

アーセナルの2点目は手数をかけずに1本のパスでウインガーが抜け出し、素早い折り返しでギェケレシュにボールを届けたことがゴールにつながっている。遅攻に傾きがちなアーセナルだが、ギェケレシュの能力をより活かすにはこういったプレイが必要かもしれない。やや足元が硬く、確かにアーセナルには不釣り合いなギェケレシュだが、使いようによっては強力無比な武器となれるはずだ。



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