クヴァラツヘリアのドリブルの原点 幼少期に遡る「歩き出したときから、常にボールを蹴っていた」

三冠を達成したクヴァラツヘリア Photo/Getty Images

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運命だった

ジョージアの英雄フヴィチャ・クヴァラツヘリアが、チャンピオンズリーグ決勝で歴史を刻んだ。インテルを突き放すゴールを挙げ、PSGに悲願の欧州初制覇と3冠をもたらしたのである。その才能は、実は幼少期からすでに芽吹いていた。『The Athletic』が伝えている。

CL決勝という大舞台でも、クヴァラツヘリアはドリブルで果敢に仕掛け続け、インテルの守備陣を翻弄した。その技術や身のこなしは、幼い頃の環境によって自然と培われたという。5歳年上の兄を追いかけて走る中で、5歳にして方向転換をスピードを落とさずに行える驚異的な身体能力を見せ、周囲の指導者たちはその反射神経に驚き「スポーツ選手の資質がある」と即座に見抜いた。

母のマカさんは、かつてこう語っている。
「歩き出したときから、常にボールを蹴っていた。眠るときも一緒。遊びではなく、ボールを失ったら必死にゴールを守りに戻っていた」

クヴァラツヘリアのドリブルの原点は、ジョージアの首都トビリシにある小さなコンクリートのピッチにもあった。転べば怪我をするアスファルトの上では、上体を起こしたまま繊細かつ素早くボールを扱う技術が自然と求められる。そうした環境で日々ボールを追いかけたことで、彼特有のしなやかで強烈なドリブルが育まれていった。

ナポリで“クヴァラドーナ”と称賛された芸術的なドリブル。それはまさに、幼少期の経験が結晶化したものであり、CL決勝で決めたあの一撃には、自らのすべてが詰まっていた。

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