2026W杯のチケット代は“285万円”にもなるとの試算が サッカーが一部の富裕層のものに?

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長(左)とドナルド・トランプ大統領 Photo/Getty Images

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チケット代が高騰か

アメリカ、メキシコ、カナダで開催される2026年のFIFAワールドカップ。アメリカでは48チームに拡大された大会開催に向けた計画の策定、および実行に向けて各州が奔走している。

ジョージア州アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムは開催スタジアムの1つとして予定されており、準決勝を含む8試合を行う予定となっている。『The Athletic』によれば、アトランタは大会開催にあたり30万人以上の来客を見込んでいるという。経済効果はかなりのものになるだろう。

しかし、問題点もいくつか持ち上がっているようだ。交通事情はそのひとつで、アトランタの劣悪な交通渋滞がさらに悪化する可能性が高いという。アトランタの最高執行責任者であるラチャンドラ・バークス氏は「正直に言って、交通問題は公共の安全問題と同じくらい私たちにとって重要な点です」と述べている。同メディアによれば、市の公共交通機関を運営するアトランタ都市圏高速交通局(MARTA)は、毎日18万5000台以上の車両をアトランタの路上から排除しているという。大会期間中、公共交通機関やライドシェアサービスなどの利用によって、いかに来客の自家用車移動を制限するかが課題となっているようだ。
もう1つ、ファンにとっては頭の痛い問題がある。それはチケット代の高騰だ。バークス氏は、アトランタで行われる試合の観戦チケットは2万ドルにもなると見積もっている。日本円にしておよそ285万円。フルトン郡市政委員長のロブ・ピッツ氏は「安くない」と述べ、パブリックビューイングなどの開催を促している。

「99%の人には行く余裕がないんです。それぞれの都市に2000人、5000人、1万人収容の会場があると思いますし、それが唯一の方法でしょう。そういう人たちをどう捉えるか、関心が集まるでしょう」

アメリカでは人気プロスポーツの観戦チケットが高騰をみせている。NFLスーパーボウルのチケット代は、昨年に過去最高値を記録し、高額なもので2万8千ドルほど(当時のレートで約322万円)にもなったことが話題となった。今年はかなり下がったようだが、4年に1度の世界的なイベントであるW杯のチケットはやはり高額となることが見込まれているようだ。2万ドルは、一般のファンにはとても手が出ない額だ。

労働者のスポーツでもあるサッカーだが、一部の富裕層以外は現地観戦を楽しめないものになってしまうのだろうか。

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