油断は禁物とはいえ、今季のセリエAは決着がついたと見てもいいだろう。10日に行われた第26節でインテルがスペツィアに敗れたため、首位ナポリと2位インテルの間には18ポイントもの勝ち点差がついている。ここからの大逆転劇は想像しづらく、今季のセリエAはナポリが完全に支配したと言える。
そんなナポリの次なる期待は、やはりチャンピオンズリーグだ。15日にはフランクフルトとの決勝トーナメント1回戦2ndレグを予定しているが、アウェイでの1stレグではナポリが2-0と完全勝利を収めている。こちらも油断してはならないが、ベスト8入りはもう目の前だ。国内リーグの勝ち点差を考えると、ここからはリーグ戦で主力を休ませつつ、チャンピオンズリーグにコンディションを合わせていくことも可能となる。
ナポリこそ今季のチャンピオンズリーグ優勝候補筆頭ではないか。そんな空気感も広がりつつあり、『EuroSport Italia』のシモーネ・エテルノ氏もナポリの完成度を超えるチームはないと胸を張る。
「グアルディオラのマンチェスター・シティでも、アンチェロッティのレアル・マドリードでも、ナーゲルスマンのバイエルンでもない。スパレッティのナポリより熱く、面白く、成功しているクラブはない」
「セリエAは事実上終了した。18ポイントのアドバンテージを失うことはないだろう。だから今後考えるべきは、チャンピオンズリーグだ。ナポリはグループステージより欧州全体で誰よりも魅力的なサッカーが展開できると証明してきた。リヴァプールも倒したし、アヤックスにも同じことをした。ナポリは本当にどこまでも行けるよ」
イタリア勢が最後にチャンピオンズリーグを制したのは、2009-10シーズンのモウリーニョ・インテルだ。それ以降はセリエAのレベルを疑問視する声もあり、スペイン勢やイングランド勢に差をつけられてきたところがある。しかし、今のナポリはそうした空気を破壊するだけの力を備えている。
昨夏にDFカリドゥ・クリバリ、FWロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンスといった主力を失ったナポリがここまで強くなるとは想定外だったが、明確な優勝候補がいないとも言われる今季のチャンピオンズリーグはチャンスだ。
今季のナポリには世界中のサッカーファンが魅了されているはずで、欧州制覇を期待している人もかなり増えていることだろう。