W杯ベスト16・豪州が再び日本の脅威になるとき アジア杯へ進化を目指す若きサッカールーズに警戒を

カタールの地でサプライズを起こしたオーストラリア代表 photo/Getty Images

楽しみな若手が増えている

昨年のFIFAワールドカップ・カタール大会は何かとサプライズの多い大会でもあったが、その1つがオーストラリア代表のベスト16入りだ。

オーストラリアが入ったグループDにはフランス、デンマーク、チュニジアが同居しており、オーストラリアの突破を予想する声は多くなかった。前評判ではフランスとデンマークの突破を予想する人が多かったはずだ。

ところが、オーストラリアはチュニジアとデンマークを撃破。2006年のドイツ大会以来となるベスト16入りを果たし、そのベスト16でも優勝したアルゼンチン代表相手に見事なゲームを披露した(結果は1-2で敗北)。
近年はオーストラリアの力が落ちているなんて見方もあったが、次のアジアカップへオーストラリアは再び日本代表の厄介なライバルになる可能性がある。

カギとなるのは、次代を担う若い選手たちだ。

オーストラリアは3月にエクアドル代表との親善試合を予定しており、14日に代表メンバーを発表。そのメンバー構成はカタール大会を戦ったメンバーを中心としつつも、世代交代へ若い才能も加えている。

まず日本にとって厄介となりそうなのが、カタール大会でもコンビを組んだCBのキー・ロールズ(ハーツ/24歳)と198cmのサイズを誇るハリー・ソウター(レスター・シティ/24歳))の2人だ。この2人は2021年に行われた東京五輪にも参加しており、どちらもまだまだ若い。

さらにCBではアルビレックス新潟でプレイするトーマス・デン(25)も招集されており、デンも東京五輪を経験している。

他にはドイツ2部のザンクトパウリでプレイする23歳のMFコナー・メットカーフ、マンチェスター・シティのリザーブチームに所属する19歳のMFアレクサンダー・ロバートソン、カタール大会にも出場し、昨年1月にはニューカッスルと契約を結んだ18歳のFWガラン・クオル(現在はハーツにレンタル移籍)、国内のメルボルン・シティで5ゴール5アシストの成績を残すFWマルコ・ティリオ(21)といった選手も招集しており、オーストラリアをベスト16へ導いたグラハム・アーノルドがどんな新チームを組み立ててくるのか非常に興味深い。

今回の代表メンバーにはトレーニングメンバーとして国内のアデレート・ユナイテッドで結果を残している17歳のFWネストリー・イランクンダも呼んでおり、アジアカップと2026年のワールドカップへ向けて準備は着々と進んでいる。

特にレスターへとステップアップした大型DFソウター、ニューカッスルと契約したクオルといった選手は身体能力も高く、日本にとっては危険なライバル候補となる。2000年代のオーストラリアはサイズとパワーを武器にガンガン押し込んでくるフットボールで日本を苦しめたが、同じようなことを得意とするチームが完成するかもしれない。

昨年のワールドカップ・ベスト16入りからオーストラリアはどう変わるのか。再びアジアのライバルとなる可能性もあり、どこかで直接対決が実現すれば面白い。

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