アルゼンチン切り裂いた高速ドリブルの衝撃 イングランド黄金世代オーウェンはムバッペ級の才能だったのか

イングランド黄金世代のエースだったオーウェン photo/Getty Images

バロンドールも獲った超早熟の才能

黄金世代と言われた2000年代のイングランド代表において、少しの後悔があるとすればFWマイケル・オーウェンだろう。

超早熟の韋駄天ストライカーだったオーウェンは、18歳の若さでA代表デビューを果たしたワンダーボーイだった。しかしキャリアの中で大きい怪我を負ってしまうことがあり、勝負の時だった2006年のワールドカップでも大会中に負傷離脱してしまった。オーウェンが怪我なくキャリアを過ごすことができれば、当時のイングランド代表にメジャータイトル獲得のチャンスもあったのではないか。

大きな可能性を感じさせたプレイといえば、1998年のワールドカップ・アルゼンチン戦で見せた独走ゴールだろう。ピッチ中央からドリブルで相手DFを振り切り、あっさりとゴールを奪ってしまった。ドリブルの精度、スピードともに抜群で、デビュー当初の衝撃はかなりのものがあった。
それこそフランス代表FWキリアン・ムバッペにも負けない衝撃があったのではないか。ムバッペも4年前のロシア大会で爆発的なスピードでピッチを駆け抜けていたが、全盛期のオーウェンもそれに近い瞬発力があった。アルゼンチンの守備陣を切り裂いたところも、2人の共通点ではある。

オーウェンは現在のムバッペと自身を比較しており、自分と似たタイプと語っている。

「今のムバッペの価値はどれくらいだろう? 彼がPSGを去るなら、1億5000万ポンドか2億ポンドほど動くのだろうか。分からないが、私も似たタイプの選手ではあったよ。バロンドールも獲ったし、2度得点王も獲った。18歳でワールドカップにも行ったからね」(英『Sportbible』より)。

オーウェンがもう少し長く全盛期を維持できていればイングランド代表は変わっただろうか。後輩のウェイン・ルーニーとのコンビももう少し長く見てみたかったところで、オーウェン級のストライカーもそう簡単には出てこないだろう。

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