ミランの右SB不足を救っているカルルのユーティリティ性 優秀だからこそ求められるCBとSBの高次元での両立 

トリノ戦の低調なパフォーマンスをザルツブルク戦で取り返した photo/Getty Images

現在のミランはカルルとデストで右SBを回している

3日に行われたチャンピオンズリーグのレッドブル・ザルツブルク戦で4-0の勝利をあげ、9季ぶりの決勝トーナメント進出を成し遂げたミラン。この試合で何度かピンチを防いだDFピエール・カルルは右サイドバックとしての感覚を取り戻してきているのかもしれない。
 
シーズン開幕直後にDFアレッサンドロ・フロレンツィの長期離脱が判明したこともあり、夏の移籍市場閉幕ギリギリでDFセルジーニョ・デストのローン移籍を成立させたミラン。ところが、10月初旬に今度はDFダヴィデ・カラブリアが負傷離脱。ステファノ・ピオリ監督はここ1ヵ月ほど、昨季途中からセンターバックでの出場がメインとなっているカルルを右SBとして多く起用している。
 
しかし、当のカルルは右SBでのプレイにやや苦しんでいたようで、ミラン専門サイト『Pianeta Milan』によれば、先月31日のトリノ戦の前にピオリ監督がそのことについて言及。「彼はセンターバックとして素晴らしい働きをしてきたが、サイドバックとしては自分のプレイを取り戻すのに少し時間がかかった」とコメントしている。
 
実際、そのトリノ戦でも右SBとして先発出場したカルルは、前半のうちに喫した2失点に関与。ハーフタイムでピッチを後にしており、伊『Gazzetta dello Sport』は4.5という厳しい評価を彼に与えていた。
 
それでもピオリ監督はCL決勝トーナメント進出を懸けた大一番、3日のザルツブルク戦でも引き続きカルルを右SBとしてスタメン起用している。この試合の彼は最終局面でピンチを防ぐ活躍を何度か見せ、対峙した相手FWに仕事をさせず。86分までプレイし、クリーンシートに貢献した。
 
トリノ戦のパフォーマンスから一転して、大事な試合で最大限の力を発揮し、ピオリ監督の信頼に応えたカルル。CBとSBを両立させる難しさも多少あるのかもしれないが、彼のユーティリティ性がチームのピンチを救っていることは間違いなく、今後もその両ポジションをハイレベルでこなしていくことが求められるだろう。

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