水沼貴史です。夏に開幕した欧州各国リーグも早いもので、2022-23シーズンの約3分の1が消化されました。例年以上に混戦模様となっているリーグが多く、今季も大きな盛り上がりを見せていますね。そんな中でも、やはり注目なのはプレミアリーグ。近年リーグを牽引してきたリヴァプールの苦戦、古豪ニューカッスルの躍進……。選手個人に目を向けてみても、プレミア1年目ながら異次元のスピードでゴールを量産するハーランドなど、話題は尽きません。もちろん、力のあるクラブたちが上位に多くいますが、今季のプレミアリーグは「一筋縄ではいかなそう」「いままでとは違うな」と感じています。
そして、そんなプレミアリーグで現在首位に立っているのがアーセナルです。正直、これも今季のサプライズのひとつではないでしょうか。名将アーセン・ヴェンゲルのもとで2003-04シーズンに無敗優勝を成し遂げた名門クラブも近年は非常に苦戦を強いられており、2017-18シーズン以降は欧州最高峰の舞台チャンピオンズリーグに出場すらできていない状況が続いていました。しかし、ミケル・アルテタ体制4年目を迎えた今季、第6節でマンチェスター・ユナイテッドに敗れはしたものの、ここまで12試合を消化して黒星はわずかに1つ。10勝1分1敗の勝ち点「31」と、クラブ史上最高のスタートを切ったのです。今回はそんなアーセナルについて少々お話をしたいと思います。
序盤戦の対戦相手が少し調子が悪かったところもあるかもしれませんが、そういった相手にもしっかりと勝ち切り、すごく良いスタートが切れたことがすごく大きいと思います。ユナイテッド戦に敗れたあとも、今季無敗だったトッテナムとのノースロンドンダービーを3-1でモノにし、連敗を回避。さらに、強豪クラブとの連戦となった翌試合のリヴァプール戦にも勝利(3-2)し、自信を深めました。すごく良い流れが来ているなと感じます。初黒星を喫したユナイテッド戦の次の試合(第7節エヴァートン戦)、苦戦を強いられたリーズ戦の次の試合(第12節マンチェスター・シティ戦)が延期と、負ければ流れが変わりそうなシーンでしっかりと自分たちを見直す時間を作ることができ、嫌な流れに持って行かせないなど、日程や運もアーセナルに流れが来ているように思います。
また、これまでアーセナルは11月から年末にかけて調子を落とすシーズンが多々あり、「魔の11月」のように言われることもしばしば。しかし、今季はワールドカップが開催されるため、この時期はリーグが中断されます。W杯に出場する選手たちがどの程度の疲労を抱えてチームに戻ってくるかはまだわかりませんが、過去のジンクスから見てもアーセナルへの追い風が吹いているかもしれませんね。6日には第15節チェルシー戦も控えていますし、まずはヨーロッパリーグを含めてW杯までの残りの試合でしっかり結果を残すことが大事だと思います。今のチーム状況を見ていると、私個人的にはそれほど悪い結果になるとは思えませんけどね。