アーセナルでもっと見たかった《スピードスター&天才MF》の輝き ギャラスが悔やむ2人のキャリア

アーセナルでプレイしたウォルコット photo/Getty Images

10代当時の注目度は極めて高かった

今のアーセナルもヤングスターが多い構成にはなっているが、アーセン・ヴェンゲルが指揮していた2000年代もアーセナルの若手は何かと話題を呼んできた。

かつてアーセナルでプレイしたDFウィリアム・ギャラスは、その中でもチームメイトだったFWテオ・ウォルコットとMFジャック・ウィルシャーの才能に驚いたと振り返っている。

ウォルコットは爆発的なスピードを備えていたアタッカーで、2006年のワールドカップ・ドイツ大会にて17歳の若さでイングランド代表入りを果たしていた。当時のイングランドは黄金世代と話題だったが、そこにサブながら17歳の選手が入るのは衝撃が大きかった。ウォルコットを次世代のスターと考えた人は多かっただろう。
しかしウォルコットは怪我もあり、アーセナルで思ったほど伸びなかった。英『The Sun』によると、ギャラスはそれに加えてメディアからのプレッシャーも大きかったのではないかと分析している。

「私がアーセナルでプレイしていた頃、メディアはウォルコットがプレミアリーグで最高の選手になると期待していた。だけど、早い段階から注目しすぎるのは問題だ。彼はまだ16か17の若さだったからね。ウォルコットを次のレベルに引き上げるには時間が必要だと感じていた。だから彼にはあまりプレッシャーをかけないようにしていた。ただ、若い選手が非常に謙虚だったとしてもメディアからはプレッシャーがかかるからね。それを考えると、ウォルコットが注目されたほどのキャリアを描けなかったことに驚きはない。ポテンシャルを最大限に開花させられなかった多くの選手を見てきた。ウィルシャーもそうだろう。16歳の彼とトレーニングをしたが、テクニックは信じられないレベルだったよ。でも、ウォルコットと似たことが起きたね」

ギャラスがもう一人天才と称えたのは、MFジャック・ウィルシャーだ。

ウォルコットとウィルシャーがイングランド代表の中心になっていくと考えた人も多いだろう。2人とも確かな才能があり、ウィルシャーにいたってはまだ30歳だ。怪我さえなければ今年のワールドカップで主軸になっていた可能性が高く、今のフィル・フォーデンやメイソン・マウントといった若手選手にも負けない能力があったはずだ。

2人がスーパースターとして長く活躍するアーセナルも見てみたかったが、10代の頃の注目度に比べると少々静かなキャリアにはなってしまったか。

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