今夏に主力が流出したアヤックスを止めるのはどのクラブか。オランダ・エールディヴィジではそこが注目ポイントの1つとなっていたが、現在首位に立っているのはDF菅原由勢が所属するAZだ。
PSVかアヤックスの一騎打ちかと思いきや、開幕9試合で7勝2分の成績を残すAZが一歩前に出た。9月に直接対決でアヤックスを2-1で撃破しており、現在はAZが勝ち点23、アヤックスが22、PSVが21と接戦状態になっている。
AZの注目すべき点は、若手だ。情報サイト『Transfermarkt』のデータでは、今季のAZはチーム平均年齢が23.2歳となっている。若手育成に定評あるエールディヴィジでも、この数字は全体で3番目に若いものだ。
例えば2-1で勝利した9日のユトレヒト戦では、スタメンのうち25歳以上の選手はGKホビー・フェルハルスト(29)、DFパンテリス・ハツィディアコス(25)、MFヨルディ・クラーシ(31)の3人のみ。残りは全員が24歳以下の選手で構成されており、22歳の菅原もその1人だ。
アカデミーで育てた選手を積極的に引き上げているのも特長で、センターバックに入るマキシム・デッカー(18)、左ウイングに入るミーロン・ファン・ブレデロ(19)の2人は今季から本格的に主力となったアカデミー出身選手だ。ブレデロはエールディヴィジ全体で2番目に多い23回のドリブル成功数を記録しており、エールディヴィジの舞台で臆することなく仕掛け続けている。
他にもベンチに座る20歳のGKセム・ヴェステルフェルト、MFジコ・ブールメースター(20)をアカデミーからトップへ引き上げており、デッカーとブレデロはU-19オランダ代表のメンバーでもある。フレッシュな若手にどんどんチャンスを与えているのも今の快進撃に繋がっている。
アカデミー出身者ではないが、今冬にはハンガリー代表メンバーの左SBミロシュ・ケルケズ(18)もミランから引き抜いており、10代の選手も珍しくない。
彼らが主力として定着すれば、2、3年でさらに面白いチームに仕上がるだろう。育成ではアヤックスとPSVが注目を集めるが、今季のAZも魅力的なヤング軍団となっている(データは『WhoScored』より)。