キーワードは、とにかく走ること。プレミアリーグ第3節でチェルシーを3-0のスコアで撃破するサプライズを披露したのは、リーズ・ユナイテッドだ。
昨季のリーズは非常に危険な状態にあった。マルセロ・ビエルサに率いられたチームは残留争いに巻き込まれ、その緊急事態にビエルサの後任に指名されたのが48歳のジェシー・マーシュだった。
ザルツブルクで南野拓実のボスでもあったマーシュはその後挑戦したドイツのライプツィヒでこそ結果を出せなかったが、ザルツブルクでは魅力的なフットボールを展開していると話題だった。ザルツブルクでも攻守の切り替えを速めたハイテンションなフットボールを見せており、それは今年3月から指揮を任されたリーズでも変わらない。
今夏にはFWハフィーニャ、MFカルヴァン・フィリップスと主力2枚を手放したが、その売却益も使ってクラブは積極補強へ打って出た。
アメリカ代表期待の攻撃的MFブレンデン・アーロンソン(21)、DFラスムス・クリステンセン(24)の2人をザルツブルクから引き抜き、オランダのフェイエノールトからはエールディヴィジを代表するドリブラーとなっていたコロンビア代表FWルイス・シニステラ(23)、ライプツィヒからはアメリカ代表MFタイラー・アダムス(23)、バイエルンで出番の限られていたスペイン人MFマルク・ロカ(23)ら実力者を補強。
米『ESPN』にてマーシュは今夏の補強をパーフェクトだったと振り返っているが、マーシュ好みな運動量豊富な選手が多い。攻撃的MFアーロンソンもザルツブルク時代からかなり走れる選手と話題を集めており、マーシュのハイテンションなサッカーに合っている。
3-0で撃破したチェルシー戦では、80分を過ぎた段階でチェルシーより11kmも多く走っていたという。やはり中堅クラブがビッグクラブを崩すには、相手より多く走るハードワークが欠かせない。
昨季は17位とギリギリの残留劇だったが、残留したおかげで今夏の補強に繋げることができた。まだ始まったばかりだが、開幕3試合は2勝1分と見事なスタートだ。マーシュの哲学がより浸透すれば、リーズは厄介な存在となるだろう。