ガーナ最高のFWギャンの後継者はなぜ出ない 消えた2人の“U-20W杯得点王”

U-20W杯で活躍したアシファー photo/Getty Images

当時のガーナは育成年代でも強かった

ガーナ最高のストライカーといえば、やはりアサモア・ギャンだろう。ガーナ代表では歴代最多となる51ゴールを奪っており、ギャンが前線に君臨していた頃のガーナは強かった。

そのギャンも2019年が最後の代表戦出場となっており、ガーナではギャンの後継者と呼べるストライカーが出てきていない。今年のワールドカップ・カタール大会出場権はゲットしているが、やはりギャンやケビン・プリンス・ボアテング、サリー・ムンタリらを抱えていた10年前のチームの方がタレント的には豪華だ。

ギャンの後継者になり得る存在はいた。2009年のU-20ワールドカップで9ゴールを挙げて大会得点王に輝いたドミニク・アディアー、さらに2013年の同大会で8ゴールを挙げて得点王に輝いたエベネゼル・アシフアーの2人だ。
2009年大会でガーナは決勝でガンソやアレックス・テイシェイラ、ドウグラス・コスタを擁していたブラジル代表を撃破して優勝を果たしており、その中で9ゴールを挙げたアディアーは絶対的エースだった。チームメイトにはDFジョナサン・メンサー、現在も代表に名を連ねるMFアンドレ・アイェウらが入っており、当時のガーナに将来性を感じた人も多かったはずだ。

しかしアディアーは2010年より所属していたミランで結果を残せず、レンタル先でも失敗。2015年からはタイへ向かい、昨年冬にタイのチェンマイ・ユナイテッドを退団してからはフリーの状態が続いている。

ベスト4に入った2013年大会得点王のアシファーも当時スイスのシオンでプレイしていたが、その後のステップアップは上手くいかなかった。現在はフランス2部のポーFCでプレイしており、A代表でも1試合しか出場歴がない。

当時の大会ではポール・ポグバ擁するフランス代表が優勝し、ポグバは大会MVPにも選ばれた。スペイン『as』によると、今もフランス代表で活躍するポグバたちにアシファーは嫉妬に近い感情があると明かしている。

「ポグバやウムティティたちを見ていると悲しくなるよ。トルコで開催さ入れたU-20ワールドカップではみんな同じステージでプレイしていたからね」

当時のガーナは準決勝でフランスに1-2で敗れたが、アシファーはこのゲームでも得点を奪っていた。当時は強豪フランスの若手と同レベルとの感触もあったかもしれない。それが今では大きな差がついてしまうことになり、ユース年代での活躍がその後の活躍を保証するわけではないのだろう。

ガーナとしては育成に躓くような格好となり、2人がA代表のエースにならなかったのは痛手だった。

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