市場価値は3000万ユーロから“750万ユーロ”へ低下 日本の才能・久保建英が輝けるクラブはどこだ

マジョルカに2回レンタル移籍してきた久保 photo/Getty Images

スペイン国内でのレンタル継続は正しかったか

日本のサッカー史では過去にも天才と評された選手が何人かいたが、現代表のMF久保建英もその1人なのは間違いないだろう。今のところ森保ジャパンで確固たる地位を築けているわけではないが、足下の技術はトップクラスだ。

ただ、レアル・マドリードと契約を結んでからの成長スピードが想像より緩やかなのも事実だろう。レアルでも期待の若手と注目されたが、今振り返ればマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、もう一度マジョルカと続けてきたレンタル移籍が正しい選択だったのか疑問も残る。スペイン国内でレンタル移籍を続けてきたが、それこそオランダなど国外へ目を向けるのも1つの手だったかもしれない。

日本のメッシと呼ばれたこともあるように、メッシに近い雰囲気は持っている。だが、メッシと同じくチームスタイルを選ぶ選手でもある。マジョルカやヘタフェといったスペインの下位・中堅クラブでは持ち味を100%発揮しづらいはず。特にマジョルカでは残留争いに巻き込まれるばかりで、攻撃で魅せる機会が限られる。守備部分の学びはあったはずだが、アタッカーとしてアピールは不十分だ。
久保の市場価値はビジャレアルにレンタル移籍する2020年夏に最高額となる3000万ユーロまで上昇したが、現在は750万ユーロまで低下している。スペインで継続してきたレンタル移籍は正解とは言いづらい。

スペイン『as』はマジョルカへの1度目のレンタル移籍はまずまずで、2020年から本格的に爆発する予感があったと振り返っているが、この2年は思った以上に苦戦したところもあった。日本代表の方でも17試合目となった先日のガーナ戦でようやくA代表初ゴールが生まれることになり、やや時間はかかった。今年のカタール大会で主力になる未来を描いていたファンもいたはずだが、現段階ではスタメンを確保しきれていない。

まだ21歳になったばかりで焦る必要はないが、やはりW杯イヤーの今年が1つの勝負なのは間違いない。まずは新シーズンにクラブで結果を残し、ワールドカップメンバーに入りたい。

そのためにも新天地探しは重要だ。マジョルカでも得点数は伸びなかったが、前を向けば相手を1枚は剥がすプレイは見せていた。もう少し攻撃的に振る舞えるチームなら結果も変わってくるはず。

特別な才能の持ち主であることは確かだが、クラブでも代表でも決定的な存在になっていけるか。レアルと契約を結んでから3年。そろそろ日本のファンからも本格的な結果を求められる頃で、新シーズンは久保の評価が大きく左右されるシーズンとなるかもしれない。

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