高いクオリティを保ちながら両SBでプレイできる選手はどれだけいる? カンセロ並の適応力を持つ小池龍太のポテンシャル

横浜F・マリノスでマルチロールぶりを発揮する小池龍太 photo/Getty images

両サイドそん色なくプレイできる

最終的には3-3と引き分けに持ち込まれるも、序盤で浦和レッズから3ゴールを奪うなど、素晴らしい攻撃力を見せた横浜F・マリノス。後半は前半と比べ、ややトーンダウンしてしまったが、前半の圧倒ぶりはすごかった。そんなF・マリノスで目立つ存在として活躍しているのがDF小池龍太である。

レノファ山口でキャリアをスタートさせ、2019年からはベルギーでプレイするなど、海外での経験を持つ小池。2020年にF・マリノスでJリーグ復帰を果たしており、昨季は31試合に出場して4ゴール4アシストと数字も残した。今季もケヴィン・マスカット監督に重宝されており、12試合で2ゴール1アシストを記録している。

そんな小池は右サイドバックの選手だ。攻撃面では推進力のあるドリブルとパスワークで前進することができ、昨季計8ゴールに関与したように得点にも絡むことができる。守備での対応も抜群であり、攻守ともに隙がない。さらにF・マリノスは中央にポジションを取ってビルドアップを助けることもできる万能なサイドバックである。

ユーティリティ性は彼の一つの強みだ。中盤、左サイドバックと本職以外のポジションでもこなしてしまう器用さを持っており、スカッドのカスタマイズ性能が高い。浦和戦でも左サイドで起用され、先制点となった水沼宏太のゴールをアシストしている。

この場面では小池の強みがいくつも表れている。まず一つ目はスペースに動くランニングだ。後方から左サイドの宮市亮にパスが出されており、その瞬間に小池は動き出していた。相手選手は小池の動きについていけず、最終的にフリーでクロスを上げている。二つ目は逆足から放たれたクロスの質だ。このクロスは相手からすれば非常に対処しにくいボールであり、結果ファーサイドの水沼までボールが流れている。

ここまで高いクオリティを保ちながら、両サイドでプレイできる選手は少ない。国内では酒井高徳、海外ではジョアン・カンセロくらいだ。それを実現しているのは小池の優れたインテリジェンスの部分であり、サッカーIQの高さがうかがえる。

今季はボランチでも起用されるなど、より重宝されている小池。調子を落とすことも少なく計算できる選手だ。今季初ゴールとなった清水エスパルス戦でのミドルシュートは素晴らしく、試合を戦うごとに成長を遂げている。

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