長友佑都と一緒に知る最後のコッパ・イタリア制覇 インテルで忘れてはならぬ“4番手DF”の献身

コッパ・イタリア決勝進出に大きく貢献したラノッキア photo/Getty Images

今季の決勝進出で見逃せないエンポリ戦での活躍

今月11日、インテルはユヴェントスとのコッパ・イタリア決勝に臨む。リーグ戦では首位ミランを2ポイント差で追うデッドヒートとなっているが、コッパ・イタリアの方も重要なタイトルだ。インテルとしては国内2冠達成が今季の目標となる。

その大一番を前に、触れておかなければならない選手がいる。今季限りでチームを去ると見られているインテルDFアンドレア・ラノッキアだ。

今季に限ったことではないが、今のインテルではステファン・デ・フライ、ミラン・シュクリニアル、アレッサンドロ・バストーニが最終ラインを形成しており、34歳のラノッキアはほとんどのゲームでベンチを温めている。今季のプレイタイムは全コンペティション合わせても僅か539分間である。
しかし、その少ない時間でラノッキアが決定的な働きを見せたことを忘れてはならない。今季コッパ・イタリアのベスト16、エンポリ戦で後半アディショナルタイムに劇的同点ゴールを決めた選手こそラノッキアなのだ。

エンポリ戦でローテーションをおこなったインテルはラノッキアがキャプテンマークを巻いて先発したが、後半アディショナルタイムまで1-2でリードを許していた。それを救ったのがラノッキアで、チームはそこから延長戦の末に3-2で勝利。ラノッキアの一発がなければ、インテルは決勝まで勝ち上がっていなかったはずだ。

インテルがコッパ・イタリアを最後に制したのは、2010-11シーズンのことだ。決勝の相手はパレルモで、ラノッキアはこのゲームに先発していた。当時はまだ若手選手の1人であり、インテルではDFハビエル・サネッティ、ルシオ、MFチアゴ・モッタ、ウェズレイ・スナイデル、FWサミュエル・エトー、ディエゴ・ミリートらが在籍。

ちなみに日本代表DF長友佑都も在籍しており、このパレルモとのファイナルにもラノッキアとともにフル出場している。試合はエトーの2ゴールとミリートの一撃で3-1と勝利。ラノッキアは最後のコッパ・イタリア制覇を知る唯一の現メンバーなのだ。

あれから11年。イタリア国内でアレッサンドロ・ネスタとまで比較されたラノッキアのキャリアは、思うように進まなかったかもしれない。しかし、インテルのサポーターにとっては特別な選手のはずだ。

クラブとの契約は今季限りとなっており、今夏にクラブを去るならば最後にコッパ・イタリアとセリエAのタイトルが欲しい。決勝のユヴェントス戦で出番が回ってくるかは分からないが、ラノッキアもこのファイナル進出に大きく貢献したのは事実。インテルは総力戦でユヴェントス撃破を目指す。

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