リーガを長く知るという経験値のアドバンテージは大きい
シャビ・エルナンデスが監督に就任したことで調子を取り戻したバルセロナ。攻撃面ではペドリへの依存が問題視されているが、それでもリーグ戦ではレアル・マドリードに続く2位をキープしている。前ロナルド・クーマン政権時にあった暗い雰囲気はなく、未来に期待できるチームになった。
そんなバルセロナだが、具体的な補強ポジションとして左サイドバックをどうにかすべきとの声が多い。現状ではジョルディ・アルバがスタメンで、右サイドのセルジーニョ・デストが左に回ることもある。しかし、右サイドもダニエウ・アウベスとデストのローテーションであり、左サイドに人員が回らずアルバが疲労困憊の中でプレイするシーンが散見されている。33歳とベテランのアルバだが、しっかり休息をとれば頼れるプレイヤーだ。が、連戦ではパフォーマンス低下が見られており、控え、もしくはアルバと競える実力者の獲得が必要である。
そこで候補に挙がっているのがベンフィカのアレハンドロ・グリマルドと、セルタのハビ・ガランだ。西『SPORT』によればグリマルドは古巣であるバルセロナの復帰を望んでいるようだ。ガラン側は本人の意思は不明だが、バルセロナは彼を欲しがっており、1800万ユーロ(日本円にして約24億円)であればセルタは手放すという。
多少値は張ることになるが、リーガ・エスパニョーラで実績のあるガランを獲得すべきか。キャリアはコルドバ、ウエスカと下部リーグから徐々にキャリアアップしてきた苦労人で、今季は加入初年度ながらリーグ戦32試合で3アシストを記録している。非常の攻撃的な選手で、縦への推進力が凄い。高い位置を取れば積極的に左足から高精度のクロスを供給し、攻撃を活性化させる。
今季残したスタッツは見事だ。ドリブル成功数71回はリーグ5位であり、守備面ではタックル成功数97回、地上戦のデュエル勝利数232回はリーグでトップの数字である。攻撃面で輝きながら守備強度が高いのは非常に魅力的であり、1800万ユーロをねん出する価値は十分にある。また、グリマルドはポルトガルのプリメイラリーガで戦っており、ガランは長年スペインでプレイしている。リーグでの経験値はガランが勝っており、彼が獲得されれば戦力アップとなる可能性は高い。
来夏に向けて重要なアルバの後釜候補。本人の意思であればグリマルドだが、ガランは絶対的な経験値を持っており、活躍を続けている。バルセロナにきて急にパフォーマンスが落ちるというのは考えにくく、今後の動向に注目したい(データは『SofaScore』)より。