頼れるアタッカーとして輝いている
Jリーグでは3位、ACLではグループ首位と2022年も充実したシーズンを送っている横浜F・マリノス。直近のシドニーFC戦も3-0と快勝しており、28日にはHAGL戦に臨むことになる。
そんなF・マリノスだが、オフシーズンに行った補強が大きな成功を収めている。山根陸らユースからの昇格プレイヤーを合わせれば13人の新加入選手がチームに加わっており、そのほとんどがすでに出番を得ている。特に後方では永戸勝也が、中盤では山根、藤田譲瑠チマが、前線ではアンデルソン・ロペスと西村拓真が攻守に躍動している。
西村は前線だけでなく2列目でもプレイできるユーティリティ性を持つ選手だ。CSKAモスクワ、ポルティモネンセと海外クラブに在籍した経験もあり、適応能力に優れている。
[4-2-3-1]の最前線でのプレイも悪くないが、今季はトップ下で輝きを放っている。このポジションはマルコス・ジュニオールが不動の地位を築いており、昨季はほとんどの試合でピッチに立っている。そのため、控えを心配することはなかったが、今季は中盤を大きくカバーしていた天野純が退団。控えとして吉尾海夏を町田ゼルビアからレンタルバックしたが、まだまだ連携面で不足が感じられた。そこで大きく飛躍したのがトップ下でも起用可能な西村だ。
マルコスほどテクニカルな選手ではないが、とにかく攻守両面に走る選手であり、後方と前線のリンクマンとして活躍している。F・マリノスとしてはこの西村がいることで中盤で余裕を持ってプレイすることができ、主導権を握った戦い方ができる。守備での貢献も大きく、繰り返されるプレッシングは相手からすれば非常に脅威であり、ビルドアップを混乱させている。
さらに西村には得点力がある。リーグ戦ではアンデルソン・ロペスと共にチームトップの4ゴールを記録。ACLでも得点を奪っており、すでにF・マリノスで5点を決めている。攻守への貢献度の大きさに得点力が加わればケヴィン・マスカット監督が重宝するのも必然だ。
ロシア、ポルトガルで経験値を積み、再び日本で躍動している西村。まだ25歳とこれからの選手であり、今後の海外挑戦や日本代表招集にも期待したい。