シティ対リヴァプールで見られたSBバトル 世界的な4人が集まったハイレベルな攻防

カイル・ウォーカーをはじめ多くの優秀なサイドバックがピッチに立った photo/Getty images

両者ともにワールドクラスの選手を保有している

11日に行われたマンチェスター・シティ対リヴァプールの一戦は2-2のドローで試合が終了している。非常に切り替えの早い試合であり、両者ともに世界最高の守備陣を揃えていたが、それでも互いに2失点しており、切り替えの重要性が分かるゲームだった。

そんなシティ対リヴァプールの大一番だが、ゲームの中で最も躍動していたのはサイドバックたちだった。

シティは右にカイル・ウォーカー、左にジョアン・カンセロを配置。ウォーカーは普段通りの鉄壁の守備を見せており、サディオ・マネ、ルイス・ディアスの攻撃を防いでいる。基本的にシティはカンセロが高い位置を取り、右のウォーカーは下がり目で3バックのような形となるが、リヴァプール戦ではウォーカーも高い位置を取ることが多く、攻撃でも自慢の快足を生かしている。

今季から左に定着しているカンセロは自身の攻撃センスを武器に活躍しており、ガブリエウ・ジェズスの2点目をアシストしている。あのクロスは左サイドに右足が利き足のカンセロを置いたことで生まれたシーンであり、ジェズスのゴールをお膳立てしている。得点シーン以外ではフィル・フォーデンと共にトレント・アレクサンダー・アーノルドの背後のスペースを突いており、優位を作り出していた。守備では前回対戦時にモハメド・サラー相手に手も足も出なかったが、一対一で勝つ場面が見られており、成長を感じるシーンであった。

リヴァプールはこちらも普段通り、右にA・アーノルド、左にアンドリュー・ロバートソンがピッチに立っている。A・アーノルドは前述したように守備面ではフォーデン、カンセロの対応に苦戦したが、後半に入ればユルゲン・クロップが修正を行っており、前半ほどスペースを使われることがなくなった。守備では弱さを見せてしまう選手だが、このゲームではフォーデンとの一対一を制す場面もあり、守備力は向上していると考えたほうが良さそうだ。この試合でもA・アーノルドの右足は光っていた。SBの選手だが、チャンスメイク力はMF顔負けであり、プレスをかけにくいSBがその能力を持っていれば、輝くのは必然である。恐ろしいのはまだ23歳という若さであり、彼がいる限り相手チームはA・アーノルドのパスにおびえることになる。

A・アーノルドのクロスも素晴らしいが、左SBのロバートソンも負けていない。同点弾の場面はロバートソンがクリアのこぼれ球を拾って揺さぶり、最後はディオゴ・ジョタが仕留めている。序盤にイエローカードを貰うなど苦しい戦いを強いられたが、持ち前の守備強度の高さと同点弾の起点となった高精度のクロスを武器にチームを支えている。シティ戦では目立つ活躍はなかったが、左サイドで穴を作らず堅実に90分を戦い抜いた。

ウォーカー、カンセロ、A・アーノルド、ロバートソンと世界的なSBが集まったこの大一番。ゴールに関与したのはカンセロとA・アーノルドであり、ウォーカー、ロバートソンは守備でチームに貢献している。SBは流れの中でプレイに絡むことの多いポジションであり、攻守に関与してチームのパフォーマンスを上げている。このシティ、リヴァプール以外にも近年結果を残しているチームはSBの質が高く、SBのクオリティがものをいう試合は今後より増えることになりそうだ。

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