“戦術ベンゼマ”でチェルシーを撃破 誰も止められない36試合で50ゴールに関与する世界最高のストライカー

チェルシー戦でハットトリックを達成したカリム・ベンゼマ photo/Getty images

チェルシーは崩されたわけではないが、3失点を喫した

今季のレアル・マドリードは評価が難しく、圧倒的に不利だと思われていたパリ・サンジェルマンに勝ったかと思えば、シャビ・エルナンデスのもとで成長中の未完成のバルセロナに負けるなど安定感がない。その大きな要因となっているのはカリム・ベンゼマの存在であり、彼がいれば勝てる確率が高く、逆にいなければバルセロナ戦のように大敗してしまう可能性が高まってしまう。

CL決勝トーナメントラウンド8の1stレグチェルシー戦に臨んだレアルはベンゼマの大活躍もあって3-1で先勝している。この試合のベンゼマは素晴らしかった。先制点の場面では自身が下がることでヴィニシウス・ジュニオールがドリブルするスペースを作り、供給されたクロスを合わせてゴールネットを揺らしている。2点目もクロスであり、距離はあったが、エドゥアール・メンディに触れさせることなく得点を決めている。どちらとも完全にチェルシーの守備陣を崩したわけではないが、ボックス内の強さを見せるストライカーの理想形のようなパフォーマンスだった。

得点もそうだが、ベンゼマがいることでビルドアップが機能する。ベンゼマは適切なポジション取りで前線の起点になることが上手く、彼を経由することでレアルの攻撃が前進している。大敗したバルセロナ戦ではベンゼマがいないことでボールの供給先が前線になく、唯一の逃げ道であるヴィニシウスにも対人性能の高いロナウド・アラウホが付いていたため、策がなかった。それも、ベンゼマが入ることでベンゼマ自身が前線で起点となり、さらにベンゼマにマークがつくことでヴィニシウスの負担も減り、アタッカーとして機能するようになる。今のレアルはベンゼマを中心に攻撃が動いており、レアルの弱みを挙げるのならそのベンゼマが不在時にオプションを用意できていない点だ。

このような活躍もあって、西『MUNDO DEPORTIVO』では「別次元。ベンゼマはバロンドールに値する」と大絶賛している。攻守ともに百点満点の輝きであり、34歳にしてキャリアの最高点を維持している。

今季は36試合に出場して37ゴール13アシストを記録しているベンゼマ。1試合で必ず1ゴール挙げる計算となっており、まるでマンガのような活躍を見せているが、今季はどこまで数字を伸ばすことになるのだろうか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ