期待され終盤に投入もタッチ数はわずかに4回 9750万ポンドの男ロメル・ルカクが動かない

前線の置物と化してしまったロメル・ルカク photo/Getty images

この補強は失敗といわざるを得ない

トーマス・トゥヘルのもとで昨季はCLを制したチェルシー。昨季絶好調だったマンチェスター・シティを下しており、チェルシーがトップに君臨する時代が来るかと思われたが、今季は思うような成績は残せていない。

一つは主力にけが人が相次いでしまった。特に今のチェルシーの戦術の肝となるベン・チルウェルとリース・ジェイムズが一気に離脱した時期は苦しく、戦績を落としてしまった。次に補強の失敗だ。今夏の移籍市場では昨季ティモ・ヴェルナーをはじめとするFW陣の得点力不足が見られ、インテルからロメル・ルカクを獲得した。器用ではないが190cmとサイズもあって昨季インテルではリーグ戦だけで24ゴール11アシストと35ゴールに一人で関与している。そういった成績もあって引き抜くのには9750万ポンド(日本円にして約149億円)かかった。それでも、インテルでの実績と当時のチェルシーの強さを考えれば、まさか失敗するとはだれも思わず、大当たりの補強だと思われていた。

幸先は良かった。アーセナル戦ではゴールを決めており、フィジカルを生かしたポストプレイも完璧に決めていた。しかし、徐々にパフォーマンスが落ちはじめ、さらにイタリアメディア『sky italia』に「インテルに戻りたい」と発言。その後は和解したようだが、すでにチームとの亀裂は見え始めている。

そんなルカクはここ最近のゲームでは控えからのスタートが増えており、レアル・マドリードとの一戦でも終盤での起用となった。26分と短い時間だったが、タッチ数はわずかに4回と少なく、オンターゲットはゼロ本に終わっている。サイズもあってボックス内でのポストプレイが見込めるだけに、この数字は少なすぎる。味方からの信頼を失っているのかパスが出てこず、ルカク自身も受ける動き出しをしない。終盤に投入されたこともあってチームにエネルギーを与えたかったが、難しかったようだ。

一度プレミアを離れ、イタリアを経て再びイングランドに戻ってきたルカク。しかし、現状は難しく、新天地を探すのはルカク、クラブ双方にとって最良な選択肢となりそうだ(データは『WhoScored.com』より)。

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