プレイスタイルの枠組みにとらわれない自由さ 選択の引き出しが豊富なフォーデンが持ついくつもの顔

投入後、即活躍したフィル・フォーデン photo/Getty images

彼の本当のスタイルはどれなのか

マンチェスター・シティはホームであるエティハド・スタジアムにてアトレティコ・マドリードと対戦。相手の守備を重視した[5-5-0]の並びに苦戦するも、後半のフィル・フォーデン、ガブリエウ・ジェズス、ジャック・グリーリッシュの3枚替えが功を奏し、1-0でまずは先勝を収めた。

2ndレグがリヴァプール戦後の中2日と過密日程となっており、ここでのゴールを取れるか取れないかは天と地ほどの差がある。アシストを記録したフォーデンの投入は大正解だった。

リヤド・マフレズに代わって右サイドでピッチに立つと、ファーストプレイで相手を5人引き付けてラストパスを供給している。スペースに流れたケビン・デ・ブライネがそれをゴールに流し込み、先制に成功した。これまで封じられていたバイタルエリアでフォーデンはいとも簡単に仕事をしており、試合を決める一撃をお膳立てしている。フォーデンの活躍はこれだけにとどまらず80分には右サイドでパスを受けると、ジョフレイ・コンドグビアをかわし、次に来たヘイニウド・マンダーヴァも華麗なダブルタッチでかわして中央にパスを供給している。最終的にデ・ブライネのフィニッシュにまでつながっており、今度はチャンスメイカーではなくドリブラーとしての顔を見せた。トップチーム昇格当初はダビド・シルバの後継者として期待されており、このドリブルはシルバを彷彿とさせるようなプレイであった。

今季のフォーデンは重要な大一番での活躍が何度も見られている。今回の活躍もそうであり、プレミアでは2-2と引き分けたアウェイでのリヴァプール戦でゴールを決めている。昨季であればボルシア・ドルトムント戦で試合を決めるミドルシュートを沈めており、デ・ブライネに並ぶビッグマッチ男になっている。こういった選手をどれだけ保有できるかは重要であり、11日のホームリヴァプール戦でも活躍に期待したい。

21歳とまだまだ若い選手だが、デ・ブライネと並んで試合を決められるクオリティを持っているフォーデン。今回のベンチスタートは今後の日程を考慮したと考えられ、今季は彼がチームにタイトルをもたらしてくれる存在になるかも知れない。

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