代表に選ばれることも減っている
世界でも屈指の選手層として知られているイングランド代表。多くの選手がプレイしているプレミアリーグのレベルアップが代表への強化につながっている。今のプレミアはBIG6と呼ばれる上位陣だけでなく、中堅クラブもいい人材を揃えており、クリスタル・パレスのコナー・ギャラガーとマーク・グエーイがいい例だ。
そんなスリーライオンズだが、いい人材がたくさん出る半面、選手層が厚すぎて代表に選ばれないというプレイヤーも多い。ここ最近であればレスターのジェイムズ・マディソンはすっかり代表に選ばれなくなった。
現在はイングランドの実質2部であるチャンピオンシップのコヴェントリー・シティでキャリアをスタートさせ、2018年にレスターに加わっている。実力のあるチャンスメイカーとして知られており、初年度の18-19シーズンには7ゴール7アシストを記録。今季はチーム自体がけが人の続出で、10位と苦しんでいるが、その中でも8ゴール4アシストの好成績を残している。
しかし、代表キャップは2019年の1度のみと少なく、意外と代表での活動は少ないのだ。今夏にはアーセナルやその他のビッグクラブが関心を寄せているとの報道もあり、イングランドのスターの仲間入りをしたかに思われたが、まだ早かったのか。
実力は今季の数字が示している通り高いものを持っているが、代表で争うことになるライバルの数の多さと彼が生きるポジションの少なさがマディソンとしては苦しいポイントかも知れない。イングランドは[4-3-3]や[3-4-3]を採用することが多く、中盤は逆三角形やダブルボランチになることが多い。前線は両ワイドに張った3トップになることが多く、マディソンがポジションを狙うなら中盤だが、適性でいえばインサイドハーフしかない。だが、そのインサイドハーフもフィル・フォーデンにジュード・ベリンガムと若い怪物が揃っており、そこにギャラガーも入ってきてしまった。自慢のキック精度を見せようにもジェイムズ・ウォード・プラウズは代表の常連であり、このように勢力図をまとめていればマディソンが選ばれなくても驚きではなかった。
それでも、ポテンシャルを秘めているのは間違いなく、フリーキックに関してはウォード・プラウズに続いてマディソンが2番目のキッカーだ。英『Squawka』によると、18-19シーズン以来からの集計で直接フリーキックを最も成功させているのは11本のウォード・プラウズで、2番目に6本のマディソンが来ている。今季はチームの不調もあってより守備的な試合になることも多いが、けが人が戻りしっかりとした補強を見せられればレスターは上位に食い込める力は持っており、そこでマディソンが中心となればおのずと代表への道は開かれるだろう。