PSGは若手を育てられない? アカデミーは優秀でも、すぐ結果を求める姿勢が育成に繋がらない

コマンもパリを離れた選手の1人 photo/Getty Images

パリを離れる若手は多く

ライプツィヒで活躍するMFクリストファー・エンクンク、レヴァークーゼンMFムサ・ディアビ、ミランGKマイク・メニャンといった選手たちは、全員パリ・サンジェルマンのアカデミーより出てきた共通点を持っている。

彼らは高いポテンシャルを持っていたが、パリのトップチームでは定位置を確保できなかった。もう少しアカデミーから出てきた若手に出番を与えてもいいように思えるが、そこには大きな壁があるのだろう。

同じくパリのアカデミーを経て2014年にユヴェントスへ完全移籍し、現在はバイエルンでプレイするフランス代表FWキングスレイ・コマンはクラブが早期の結果を求めすぎているとパリでの環境を振り返る。
「移籍は経済的な問題ではなかった。僕自身はもっとプレイタイムをもらうに値すると思っていた。パリでは解決策がなかったんだ。レンタルも打診したけど、実現しなかったことから移籍を決断した。彼らは早期の結果を欲しているんだ。若手を成長させるには早期の結果を求めるのではなく、3年か4年は待たないといけない。おそらく彼らはその我慢ができないんだ(『Canal +』より)。

リーグのレベルを考えれば、パリはもう少し若手にチャンスを与えられるはずだ。しかし彼らの視線の先にはチャンピオンズリーグ制覇の目標があるため、外部からスター選手を集める選択肢を優先してしまう。

結果的にアカデミーから出てきた若手には十分な出番が与えられず、若手選手たちは出場機会確保へ他クラブへ向かうようになる。

パリの選手層を考えればアカデミー出身の若手を放出しても痛手ではないだろうが、若手にとっては複雑だろう。

昨夏にはFWリオネル・メッシ、DFセルヒオ・ラモスと経験豊富な選手を2枚加えているが、今のところ上手くいっていない。話題性はあったが、チャンピオンズリーグはベスト16敗退だ。

仮に今夏FWキリアン・ムバッペがチームを離れ、メッシやラモスの将来も不透明となるのであれば、一度アカデミーに目を向けるのも悪くないかもしれない。それだけのタレントは出てきているはずで、指揮官の手に負えなくなるほどのスターをかき集めるだけが欧州制覇への道ではないはずだ。

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