よりコンディションが整えば彼が主役となるだろう
鹿島アントラーズから永戸勝也、ベガルタ仙台から西村拓馬、サガン鳥栖からエドゥアルドら即戦力の補強をオフシーズンに行った横浜F・マリノス。打倒川崎フロンターレを掲げるには十分な補強を行い、セレッソ大阪との開幕戦に臨んだ。
ゲーム内容は大方の予想通りだった。マリノスがボールを保持してセレッソを押し込む。最終的には73%のポゼッション率を記録するほどに主導権を握っていたが、セットプレイから失点。その後のマルコス・ジュニオールのPK失敗もあり苦しくなったが、新加入のアンデルソン・ロペスが入ったことで一気に状況は好転する。
サンフレッチェ広島やコンサドーレ札幌でプレイした経験を持つ日本では名の知れたストライカーであるロペス。中国のクラブに在籍していたが、今冬にマリノスに加わることになった。
後半はレオ・セアラに代わってセンターフォワードの位置に入ると、積極的なプレッシングから相手の守備に圧力を掛ける。キム・ジンヒョンのパスをカットするシーンも見られており、セレッソのビルドアップを脅かしていた。
攻撃面では右サイドでボールを受けると、相手を6人引き付けてクロスを供給。最後は逆サイドでフリーになっていた仲川輝人が押し込み、同点弾をお膳立てしている。狭いボックス内でも失わない技術の高さと冷静さが見て取れるシーンとなった。ロペスの活躍はまだまだ続く。78分には自身のスルーパスから敵陣深い位置でスペースを生み出すと、最後は左足を振り抜いて勝ち越しゴールを決めている。この場面以外にもカウンターから仲川に素晴らしいスルーパスを供給しており、プレイタイム自体は24分と短い時間だったが、彼の持つ個の能力の高さが際立っていた。
チームに合流したのは8日とまだ日が浅いロペス。ケヴィン・マスカット監督はまだコンディションが完璧ではないと語っていたが、1ゴール1アシストはさすがの一言だ。攻守に大きく貢献できる選手であり、早くも今季の主役となれる活躍を見せてくれた。