ケインに再びアタックするのか
今季は昨季苦手としたチェルシーにシーズンダブルを決め、さらに難敵リヴァプールには2度のビハインドから追い付くなど、黒星の少ないマンチェスター・シティだったが、開幕戦に続いてトッテナム相手に敗戦を喫することになった。
ウルブズ戦から継続していた無敗記録が途切れることになったシティだが、スパーズ戦で課題となったのは自陣に引きこもられる、いわゆるバスを止められた場合にどうするのか、だ。これは以前から悩まされ続けていた問題点であり、ペップ政権6季目となった今シーズンでも完璧な回答は見つかっていない。
問題点となった堅い守備に関してはやはり、高さのあるストライカー、それこそケインのような存在が必要なのかもしれない。
シティは本職のストライカーがいないということもあり、前線の流動性を高めるストライカーを置かない偽9番を採用している。そのポジジョンにはフィル・フォーデンが入ることが多く、彼の気の利いたポジショニングは効果的であり、崩しに一役買っている。フォーデンが関与したわけではないが、イルカイ・ギュンドアンが決めたようなゴールの崩しは今季よく見られており、偽9番を採用し高さを必要とせず得点は奪えている。
しかし、それでもゴールが奪えずスパーズ戦終盤のようにクロスを多用する展開になると苦しい。スパーズ戦は計40回クロスを放り込み続けたが、何度もクリアされてしまっており、実を結んだのが先制点のシーンのみだった。原因は前線の高さ不足であり、3トップのラヒーム・スターリング、フォーデン、ベルナルド・シウバは175cm以下だ。逆にスパーズの2点目、3点目はクロスから生まれており、シティもこういった場面で脅威になれる存在がいれば攻撃の幅がさらに広がることになる。
高さのあるケインのようなストライカー不在でも点を取れていたシティだが、時間のなくなってきた終盤には高さがなく手詰まりになってしまうシティ。昨季のCL決勝チェルシー戦でも同じような問題が発生してしまっており、来夏のストライカー獲得で解決することになるのか、今後またペップの発明で好転することになるのか注目したい(データは『WhoScored.com』より)。