中国代表にとって《W杯1勝》が遠すぎる スーパーリーグ盛り上がっても代表はアジアで勝てない

先日の対戦は日本が勝利 photo/Getty Images

本大会出場は2002年大会のみ

中国サッカー界は必ず強くなってくる。そう考えていた日本のサッカーファンも多かっただろう。

アジアでは中国スーパーリーグが大きな盛り上がりを見せるようになり、2010年代よりスター選手が続々とやってきた。2012年にはディディエ・ドログバ&ニコラ・アネルカ(上海申花)、ドルトムントで香川真司とチームメイトだったルーカス・バリオス(広州恒大)、バルセロナでプレイしていたセイドゥ・ケイタ(大連一方)、2019年に中国国籍を取得して中国代表選手にまでなったFWエウケソンも2012年の冬に広州恒大と契約したところから中国でのキャリアをスタートさせている。

それからも続々とスターがやってくることになり、アジア・チャンピオンズリーグでも結果が出るようになった。中国がサッカー強化に力を入れていたのは明らかで、スーパーリーグの盛り上がりは国内にも良い影響を与えていたはずだった。
しかし、肝心の中国代表はあまり結果が変わらない。前述したエウケソンや先日の日本戦に出場していたDFティアス・ブラウニングなど中国国籍を取得した選手たちも代表に含める強化策を取ったが、今回のアジア最終予選でも結果はご覧の通りだ。先日も日本には0-2で完敗を喫することになり、まだ実力差があるように感じられる。

中国がアジア最終予選で勝てないことに関しては、スペイン『MARCA』も取り上げている。それだけ中国スーパーリーグが注目されていた証だろう。

中国がワールドカップ本大会に出場したのは、2002年の日韓大会のみ。結果はグループ3戦全敗で、0得点9失点の内容で終えている。まだワールドカップで1度も勝ったことがないのだ。

ワールドカップでの1勝は最初の目標だろうが、現状はかなり遠い目標と言わざるを得ない。中国スーパーリーグも財政問題を抱えるクラブが複数あり、スター軍団化していた各クラブが躓きつつある。スーパーリーグからの中国代表強化プランが成功したとは言えないだろう。

代表チームは数年で強化されるようなものではないが、4年後のアジア予選では何か変わっているだろうか。『MARCA』は来年の中国開催となるアジアカップ2023からどうリスタートを切るのか注目しているが、今のところ自国開催のアジアカップでも頂点を狙うのは厳しい。日本戦のパフォーマンスを見る限り、ワールドカップ出場まではかなり長期的な強化プランが必要となりそうだ。乱れている中国スーパーリーグの立て直しから地道な強化策を取るしかないだろう。

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