頭数は揃っているが、選手層が薄いと感じてしまう日本代表 気になる久保、堂安ら控え選手の“生かしきれなさ”

マジョルカで輝く久保の使い方もイマイチ定まっていない photo/Getty Images

戦力の厚みがない

中国代表に勝利し、アジア最終予選の成績を5勝2敗とした日本代表。グループBでは2位となっており、次節サウジアラビア戦でも白星を挙げることができれば、本戦出場がより近づくことになる。最終予選はサウジアラビア戦を含め、残り3試合であり、ワールドカップ・カタール大会の出場を決めたい。

そんなサムライブルーだが、チームの完成度はどのくらいのレベルに達しているのだろうか。

指揮官が西野朗から2018年に森保一へと移り変わり、既に3年半の歳月が経とうとしている。2022年になり集大成となるW杯・カタール大会も近づいてきた。目標とするベスト8進出を達成したいのだが、アジア最終予選では初戦を黒星でスタートさせる大波乱となり、現在は7節を終了した時点で5勝2敗と立て直したが、中国相手に2点しか奪えないところを見るとその目標は遠いように感じる。

そう感じてしまうのはスタメンで出ている選手たちのクオリティもそうだが、控えている選手たちがピッチに立った際にどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるのかが分からないからだ。クラブでの働きはある程度はっきりしているが、代表となるとまた話は違う。

代表例でいえば久保建英や堂安律は今の[4-3-3]では適正ポジションがなく、彼らの実力を代表で発揮しきれていない。両者ともに海外で活躍するチャンスメイカーであり、今の代表の得点力不足を解消できる存在だといえる。しかし、中国戦では彼らの目立った働きもなく、試合は終了している。それはただ彼らの実力不足だったのか。所属クラブでの働きをみればまずそんなことはなく、代表チームが彼らを生かしきれていないからではないか。

他のポジションでも同じような現象が起きている。原口元気はウニオン・ベルリンにて中盤のインサイドハーフで起用されているが、代表ではもっぱらサイドでピッチに立っている。元はそこのポジションの選手であり、できないわけではないが、海外で評価されているのは中盤での献身性であり、ドリブルやチャンスメイクではない。だが、代表では継続してサイドで起用されており、今の代表ではこういったミスマッチが散見されている。

カタール大会直前でこういった問題がある以上、今の代表の完成度は高いとはいえない。特に負けている場面で交代選手に求められることは流れを変えることであり、彼らを生かせる起用ができなければ流れを変えることができない。かといって交代枠を消費せずに世界の舞台で勝てるはずもなく、今後は控え選手の生かし方が重要になってくるだろう。

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