2020-21シーズンこそ堅守を武器にドイツ・ブンデスリーガで4位という好成績を収めたものの、今季は20試合を消化した時点で降格圏と3ポイント差の15位に沈んでいるヴォルフスブルク。自慢だったはずの守備陣もここまでリーグワースト7位タイの32失点を喫しており、その雲行きは怪しい。スタートこそ開幕4連勝を飾ったのだが、現在は8試合勝利なしの状況に陥っている。
しかし、そんなヴォルフスブルクで最も深刻なのは得点力不足だ。今季ここまでにブンデスで同クラブが記録している得点数はたったの「17」。オランダ代表FWボウト・ベグホルストやドイツ代表FWルーカス・ヌメチャといった優秀なアタッカーがいるにもかかわらず、ヴォルフスブルクはリーグワーストタイの得点数しか奪うことができていない。
だが、今冬5年半ぶりにチームへ復帰したベテランは、そんなヴォルフスブルクが抱える最大の悩みを解消してくれるのか。現地時間30日にウニオン・ベルリンからの加入が発表された元ドイツ代表FWマックス・クルーゼ(33)にかかる期待は大きい。
今季前半戦は快進撃を披露するウニオン・ベルリンにて、攻撃陣の中心として活躍していたクルーゼ。最前線や攻撃的MFの役割をこなしながら、このベテランFWはリーグ戦16試合の出場で5ゴール5アシストを記録していた。ポジションにとらわれない自由な動きで味方を生かす技術はピカイチで、彼が加わることによりヴォルフスブルクの攻撃にはより幅が出てくることだろう。今季前半戦はベグホルストにクロスを上げるばかりだった同クラブだが、今後はクルーゼのアイデアにも頼っていきたいところだ。
「マックスは並外れた選手だよ。彼はボールを持っているとき、自分が何をすればいいのかを完全に理解している。ピッチ上では常に違いを生むんだ。僕にとっては理想的なパートナーだね。彼は僕がどこにいるか、どんな状況でも把握しているのさ」(独『Sport Buzzer』より)
これは、ウニオン・ベルリンの前線でクルーゼとコンビを組んでいたFWタイウォ・アウォニイのコメントだ。味方の特性に合わせてプレイできるヴォルフスブルクの新加入アタッカー。帰ってきたクルーゼが残留争いを繰り広げるチームの救世主となれば面白いが、はたして。