45分間どこにいたのか チェルシーで下がり続ける“シメオネの教え子”への評価

イングランドでは苦戦を強いられているサウール photo/Getty Images

現状では失敗の補強だ

今夏の移籍市場ではロメル・ルカクと共にチェルシーへ加わることになったアトレティコ・マドリードのMFサウール・ニゲス。昨季欧州を制したブルーズに2人の実力者が移籍し、更に戦力アップが見込まれると思われていたが、スペインからやってきたレフティは思うようなプレイを見せられていない。

アトレティコのアカデミーで育ち、そのままプロデビューを飾ったサウールは長年スペインで活躍しており、340試合の出場数を誇るクラブを代表する選手だった。昨季、先発での起用が減ったことで移籍を希望しており、初のイングランド挑戦となった。

そんなサウールだが、非常に万能な選手だ。パス、ドリブル、シュートとどれも高水準であり、CLでのバイエルン・ミュンヘン戦で見せたドリブル突破からのゴールが印象的だ。また、アトレティコでは闘将ディエゴ・シメオネに守備を仕込まれており、中盤を活性化させることのできるプレイヤーというのが一般の評価だろう。

しかし、チェルシーでのサウールは影が薄くなってしまっている。ブルーズに加入後のデビューはアストン・ヴィラ戦となったが、前半45分のみの出場となっており、その後も継続してピッチに立つことができていない。2日に行われたワトフォード戦ではエンゴロ・カンテの負傷離脱もあって、ルベン・ロフタス・チークと共にボランチでコンビを組んだが、ヴィラ戦と同様に前半45分でベンチに下がることになってしまった。

またもやチャンスを生かしきれなかったサウールだが、ワトフォード戦での印象は薄い。中盤では主にロフタス・チークがボールを配球しており、守備でもサウールが目立つことはなかった。かといって積極的な攻撃参加を見せることもなく、45分が過ぎてしまっていた。また、ボールタッチ数が21回と極端に少なく、彼がゲームに入れていなかったことが分かる。ポジショニングも相手選手に被っていることが多く、自分で後方からのパスコースを消してしまっていた。

トップチームでは怪我人続出で自身に白羽の矢が立つも、パフォーマンスでトーマス・トゥヘルにアピールできなかったサウール。この試合ではサウールに代わって中盤を務めたトレヴォ・チャロバーが負傷しており、再びスペイン代表MFが起用される日は来るのだろうか(データは『WhoScored.com』より)。

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