CBでも問題なくプレイできる中盤戦士 “ビエルサの愛弟子”が見せるサッカーIQの高さ

リーズで印象的なパフォーマンスを見せるフィリップス photo/Getty Images

トッテナム戦ではケインも完封

昨今のイングランド代表ではサイドバックに若手有望株が多数出現しているものの、その一方では中盤にも優秀な選手が数多く登場している。マンチェスター・シティのフィル・フォーデンやチェルシーのメイソン・マウントなど、近年はビッグクラブに次世代を担う優秀なタレントが揃ってきた印象だ。

しかし、今のイングランド代表の中盤が充実している理由はそれだけでない。むしろ、ビッグクラブ以外でプレイする選手の質が高まっていることの方が、チームの強化に繋がっている部分はあるだろう。ウェストハムのデクラン・ライスやリーズ・ユナイテッドのカルバン・フィリップスあたりは、その最たる例と言える。

なかでも、今回注目したいのはフィリップスの方だ。イングランド代表の守備的中盤といえば、どうしても若いライスに視線が集まるものの、“鬼才”マルセロ・ビエルサ監督に鍛え上げられたフィリップスの献身性はイングランド代表の中盤に欠かせない。注目され始めた当初は足元の技術やパス精度の高さがピックアップされることも多かったが、彼はもともと最終ラインもこなしていた選手だけあって、その守備性能もピカイチだ。
そんなフィリップスが備える高い守備能力の一端は、現地時間21日に行われたトッテナム戦でも見て取れた。この試合で久しぶりにCBとして先発出場を果たした同選手だが、彼は持ち前のハードなディフェンスで対峙したハリー・ケインを徹底マーク。相手エースにほとんど仕事をさせることなく、90分間を終えている。最終的にチームは1-2で敗れたものの、個人としてフィリップスのプレイぶりには目を見張るものがあったと言っていいだろう。

「試合には負けてしまったが、フィリップスのプレイについて言及しないわけにはいかない。彼は近年中盤の選手としてプレイしていたが、久しぶりのCBでも素晴らしいパフォーマンスを見せたね。前に出るべきか、それとも後ろにとどまるべきか。そういったタイミングの判断は完璧だった。本当に賢い選手なんだなと思ったね。試合中は『なんてプレイヤーなんだ!』と思わず叫んでしまったよ」(英『SkySports』より)

そして、このフィリップスの活躍にはかつてリヴァプールでプレイしたダニー・マーフィー氏もこのように賛辞を送っている。高い戦術理解度を武器に、自分がすべきことをきちんとピッチ上で実行するフィリップス。強豪・イングランド代表ではビッグクラブの選手に注目が集まりがちだが、中堅クラブにも素晴らしいパフォーマンスを見せる男がいることを忘れてはいけない。

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