宇佐美、昌子、井手口、山口蛍らはどこへ? W杯ロシア大会以降消えた《中堅組》

日本代表でプレイしていた宇佐美 photo/Getty Images

世代交代がスムーズに進まず

2018年のワールドカップ ・ロシア大会から3年半。すでに来年のワールドカップ へ向けたアジア最終予選も中盤戦を迎えようとしているが、気になるのは日本代表の顔ぶれだ。

今の森保ジャパンでは、ロシア大会を経験した者がかなり少なくなっているのだ。

ロシア大会出場組で立場が安泰なのはDF吉田麻也、酒井宏樹くらいだろう。未出場の選手も含めるなら、この3年半で急成長したMF遠藤航も絶対的戦力だ。
それ以外の面子は寂しい。ロシア大会を最後に代表を退いた長谷部誠、ベテランとなった本田圭佑、岡崎慎司といった選手は仕方がないとしても、当時の大会を経験した中堅世代の伸び悩みが痛い。

例えばロシアで吉田とコンビを組んだDF昌子源(当時25歳)もその後海外挑戦したが、今は森保ジャパンから外れている。

中盤ではMF山口蛍(当時26)、大島僚太(当時25)、さらにバックアップメンバーに入っていた井手口陽介(当時21)、前線ではFW宇佐美貴史(当時26)、武藤嘉紀(当時25)といった中堅世代が代表から外れてしまった。

昌子はロシア大会で吉田の相棒を担当 photo/Getty Images

ロシア組はここから代表へ入れるか

ヴィッセル神戸に戻ってきた武藤は復調の兆しを見せているが、やや時間がかかってしまった。ニューカッスルで苦悩した時間があり、本来であれば前線から代表を引っ張ってほしい実力者だ。

さらに最近では35歳になったDF長友佑都にも疑問の目が向き始めており、左サイドバックの世代交代が叫ばれるようになった。長友とて安泰ではない。

中盤の柴崎岳も同様で、欧州で思うように伸びていない。当時26歳だった柴崎は森保ジャパン発足当初こそ絶対的な主力だったが、ここ2年ほどで評価は落ちたと言える。

他にもロシアの地で躍動したMF香川真司(32歳)、乾貴士(33歳)も代表から離れており、日本復帰報道のある香川とてクラブでのアピールがなければ代表には入れない。現状はカタールへの切符を逃す可能性が高い。

理想のシナリオとしては前回のロシア大会を知る者がカタールへとチームを引っ張ってほしいところなのだが、現状では吉田、酒井宏樹、長友、柴崎、MF原口元気、FW大迫勇也、GK川島永嗣くらいしか前回大会経験メンバーがいないことになる。

しかもこのうち長友、柴崎、さらには大迫にも風当たりが強くなってきており、3人が前回大会からグレードアップしているかは微妙なところ。GKの川島も38歳を迎えているため、主力とは言い難いか。

中堅世代が思うように伸びなかったこともあり、日本代表にはやや世代の谷間のようなものが生まれてしまった。ロシア大会にベテランを多く選出したことからその覚悟はあったかもしれないが、あまりスムーズな世代交代とは言えないだろう。

今の森保ジャパンはまだサバイバルが続いているような状況で、ベストメンバーが定まっていないところがある。これをポジティブに捉えることも可能だが、果たしてこの歪な世代交代がどう影響するのか。

期待されていた才能だけに、宇佐美や井手口、武藤、昌子、柴崎らの現状は少々残念か。

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