再び“世界最高級SB”の評価を 右サイドのアシストマシーンに復調の気配

アーセナル戦で好パフォーマンスを披露したA・アーノルド photo/Getty Images

イングランド代表落選も経験したが

2020-21シーズン、なかなか本領を発揮することができていなかったリヴァプールDFトレント・アレクサンダー・アーノルドだが、彼はここにきてようやくエンジンが掛かってきたか。これまで思うようなパフォーマンスを披露できていなかった男に復調の気配が漂ってきた。

今季はロスト数の急増などが指摘される機会も多く、苦しむリヴァプールの象徴的な存在という印象も強かったA・アーノルド。この不調が響き、同選手は今回カタールW杯・欧州予選に臨んだイングランド代表にも招集されず。しばらくは厳しい時間を過ごすこととなっていた。

しかし、代表ウィーク明けの現地時間3日に行われたプレミアリーグ第30節アーセナル戦で、A・アーノルドは昨季までのような躍動する姿を見せてくれた。いつものように右サイドバックとして先発した同選手は、90分間を通して終始落ち着いたプレイを披露。この試合で目立ったのは途中出場から2ゴールを挙げたFWディオゴ・ジョタだったが、A・アーノルドも絶妙なクロスで先制点をアシスト。そのほかの2点にも絡み、データサイト『WhoScored.com』のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されるパフォーマンスで、彼はチームの勝利(3-0)に多大な貢献を果たすことに成功している。
このアーセナル戦では攻撃への関与以外に、守備への切り替えの意識も試合を通して高かったA・アーノルド。しばらくピッチ上で思うような動きが取れていなかった同選手だが、この動きを継続できるようであれば再び以前の評価を取り戻す日も近いだろう。イングランド代表への復帰も、間違いなく近づくはずだ。

「我々は素晴らしいゴールを決めてみせた。それも、トレントがその実力を見せつけたからだよ。彼の調子が悪いとか、そういうことを議論したくはないね。ガレス(・サウスゲイト:イングランド代表監督)は彼を選ばなかったけど、トレントは良い状態にあるのは確かだ。イングランドの右サイドバックには多くの選択肢があるけど、今回のガレスの選択は間違いだったと私は言わなければならない」(英『Sky Sports』より)

ユルゲン・クロップ監督もこの試合におけるA・アーノルドのパフォーマンスには大いに満足しているようで、試合後は彼に関してこのようなコメントを残している。信じて使い続けた22歳がようやくその本領を発揮し始めたことに、指揮官はご満悦の様子だ。

はたしてこのアーセナル戦をキッカケとして、A・アーノルドの調子は上向いてくるのだろうか。エンジンがかかるまでには少々時間を要することとなってしまったが、ようやくリヴァプールの右サイドはフル回転で稼働することとなりそうだ。

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