“クラブ史上最高”の新加入選手? マンUを飛び出した28歳が掴んだ大成功

ウェストハム移籍以降、めざましい活躍を披露しているリンガード photo/Getty Images

移籍後の評価はうなぎのぼり

今冬、マンチェスター・ユナイテッドからウェストハムへと活躍の場を移したアタッカーが止まらない。赤い悪魔ではここ数年なかなか結果を残すことができていなかったMFジェシー・リンガード(28)が、ついに本来の姿を取り戻し始めた。

移籍後はプレミアリーグで7試合に出場して5ゴール3アシスト。文句なしの大活躍といっていいだろう。ここまで5位と奮闘するウェストハムのなかで、同選手は圧倒的な得点力を武器にひときわ輝く存在となっている。今回のインターナショナルマッチウィークにはイングランド代表にも復帰し、いよいよ完全復活といった印象だ。

そんなリンガードがウェストハムで披露する活躍は、クラブの歴史上でも最高級のものだったようだ。英『THE Sun』によると、同選手は移籍以降ここまで約88分につき1ゴールに絡む活躍を披露しているが、これは今までウェストハムで1シーズンに500分以上プレイした選手のなかで最高の数字なのだという。なお、2位にランクインしているのは、1999-00シーズンに約90分ごと(16G13A、2617分)に得点へ絡んだFWパオロ・ディ・カーニオ氏。差はごくわずかだが、ここまでにおけるリンガードの活躍がいかに素晴らしいかはその数字からも見て取ることができるだろう。
そんなリンガードがウェストハムで効率よく得点に絡むことができている秘訣。おそらく、それは2つある。ひとつめは、シュート精度の高さだ。同選手はここまでシュートを計16本放っており、その決定率は驚異の31.25%を記録している。枠内シュートの本数もすでに12本(チーム3位)を数えており、無駄なくゴールに迫ることができているのは窺い知ることができる。巡ってきたチャンスを無駄にしないことが、得点増に繋がったか。

ふたつめは、オフ・ザ・ボールの秀逸さ。ボールを持ったときの正確かつ強烈なシュートが魅力的なリンガードだが、そこへ至るまでの過程にも目を見張るものがある。動き出しや相手DFとの駆け引きの上手さはピカイチで、周囲の動きを見ながらフリーでボールを受けるというシンプルながら難しい作業を彼は難なくこなしている。ゴール前に生じたエアポケットのようなスペースでボールを受けることも多く、実際に第22節アストン・ヴィラ戦や第29節アーセナル戦ではその形から得点を記録。すぐ相手のプレッシャーに晒されないようなボールの受け方をしていることも、彼が得点に絡めている大きな要因なのかもしれない。

今季前半戦こそマンUでなかなか出場機会に恵まれなかったものの、活躍の場を移したことで見違えるように輝きを放ち始めたリンガード。はたして、彼は今後どこまでウェストハムの攻撃に違いを生む存在として機能し続けることができるか。この調子を継続できるようであれば、今季の彼こそが“クラブ史上最高の新加入選手”となることも可能かもしれない。とてつもない勢いで評価を取り戻すイングランド代表MFのプレイからは、これからも目が離せない。

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