やはりイングランドこそがEURO最強チームか ポーランド戦で見えた圧倒的な盤石さ

ベテラン、中堅、若手がバランスよく選ばれた厚い選手層を持つイングランド photo/Getty Images

各ポジションに優秀な選手が揃っているスリーライオンズ

3月下旬に行われたFIFAワールドカップ・カタール大会に向けた欧州予選。いわゆる強豪国であるドイツ代表が格下である北マケドニア代表に敗戦を喫する波乱の展開となっているが、その中でもイングランド代表は安定した強さを見せ、このインターナショナルマッチウィークを3連勝で終えた。

代表監督にガレス・サウスゲイトを迎えてからは好調をキープしているスリーライオンズ。6月から開催されるEURO2020には期待が持てそうだ。それはこの3連戦の最終節ポーランド戦の内容からも戦力の充実を感じ取ることができた。ポーランド側はチームの大黒柱であるロベルト・レヴァンドフスキを欠いてはいるものの、ヴォイチェフ・シュチェスニーやピオトル・ジエリンスキといったビッグクラブで活躍するメンバーを揃えており、EURO本大会のような緊張感で試合を迎えることができたはずだ。

攻撃陣はハリー・ケインを軸とした前線の流動的な動きからの崩しを得意とし、ラヒーム・スターリングやフィル・フォデンの個人技での突破も光る。ポーランド戦では左のベン・チルウェル、スターリング、メイソン・マウントの三人が織りなす連携からの突破も見られ、戦術の落とし込みは十分にできていると言える。
中盤ではデクラン・ライスがタックル成功数「5」を記録し、中盤のフィルター役として完璧な仕事をしていた。今季、リーズで活躍するカルバン・フィリップスもバランサーとして機能しており、潰しの部分でもいい動きを見せ、前線から降りてくることの多いフォデンと連動して裏のスペースを狙うフィリップスの動きはいいアクセントとなっていた。

ジョン・ストーンズのミスが失点に繋がってしまう守備面の失態もあったが、終わってみれば枠内シュートはその1本のみと安定していた。守護神であるニック・ポープと各守備陣の連携不足は感じたものの、こちらは時間の問題で解決すると言える。サイドバック陣も充実しており、どの選手を送り出しても一定のレベルでやれるということは、チームの安定感に繋がるはずだ。

このように各ポジションが充実しており、EURO出場国のポーランドを圧倒したことは自信になったはずだ。他にも今回は招集外だがジョーダン・ヘンダーソンやトレント・アレクサンダー・アーノルドといった実力者も控えており、戦力は欧州トップクラスといえる。6月に行われる欧州選手権でのグループステージはクロアチア、チェコ、スコットランドとなっており、なかなかの難敵揃いだが決勝トーナメント進出は堅いだろう。前回大会ではベスト16でまさかの敗退となってしまったが、今回は優勝を狙えるメンバーが揃っている。1966年のW杯優勝以来の栄光を、ようやくつかみとるときがやってきた。

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