デ・ヘアかヘンダーソンか? マンU正守護神争いが面白くなってきた 

マクトミネイと勝利を分かち合うヘンダーソン photo/Getty Images

ロイ・キーン氏もヘンダーソンをべた褒め

やはり前評判通りとはいかないものだ。無敵と思われたチームが止まった。プレミアリーグ第27節、マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドのダービーマッチは、前半すぐのブルーノ・フェルナンデスのPKと後半のルーク・ショーの追加点により、0-2でアウェイのマンUに軍配が上がった。

マンCが首位独走状態だっただけに、意地でもライバルを止めたかったマンUにとっては、この上なく大きな勝利となった。ポール・ポグバ、エディンソン・カバーニを欠いた状態だったが、マンUの選手たちは気持ちの入った戦いを見せた。鋭いドリブルで先制のPKを奪ったアントニー・マルシャル、ソリッドに戦ったフレッジとスコット・マクトミネイ、追加点を挙げたルーク・ショーなどの選手は、この試合で評価を高めることになるだろう。

そして、もうひとり注目したいのが、GKディーン・ヘンダーソンだ。正GKダビド・デ・ヘアが出産に立ち会うということで出番が回ってきているのだが、重要なダービーに臆することなく冷静なパフォーマンスを見せ、絶好調のライバル相手にクリーンシートを達成して見せた。前節クリスタル・パレス戦に続いてのクリーンシートだ。
マンCは23本のシュートを放ちながらも枠内には6本しか飛んでおらず、見せ場が多かったとは言えない。それでも24分にはオレクサンドル・ジンチェンコの鋭いミドルシュートを、お手本のように冷静にパンチ。またチーム2点目のショーのゴールは、ヘンダーソンの状況を見極めたスローイングによってチャンスが生まれており、広い視野からチャンスメイクができるというところも証明した。

クラブOBのロイ・キーン氏は英『Sky Sports』で「GKは素晴らしかった。私は存在感という言葉を使ったけど、それはすべての偉大なGKが持っているものだ。この青年はユナイテッドの素晴らしいGKになれるよ」と激賞。また、スタジアムにはガレス・サウスゲイト代表監督の姿もあり、こちらへのアピールにも成功したと言っていいだろう。

ヘンダーソンは18-19、19-20シーズンにローンで在籍したシェフィールド・ユナイテッドで頭角を現したが、所属元のマンUに戻った今季は、プレミアリーグで出場4試合。昨年12月の古巣シェフィールド・U戦などでは先発のチャンスも得たが、ボールコントロールを誤り失点を呼び込むなどミスも犯し、デ・ヘア以上の信頼を得るには至らなかった。マンチェスター地元紙には、今夏の退団も考えていると報じられた。

しかし正GKデ・ヘアのパフォーマンスも近年は安定せず、ヘンダーソンに向けられる期待は大きい。莫大なプレッシャーのかかるダービーマッチでも、十二分に戦えることを証明したヘンダーソン。マンUの正守護神争いが、ダービー快勝という結果によって面白くなってきた。

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