サンチョ&ロイスの復調は監督交代の成果 ドルト指揮官の手腕は本物か

今季途中からドルトムントを率いているテルジッチ監督 photo/Getty Images

まだ38歳の青年監督に称賛相次ぐ

ルシアン・ファブレ前監督の解任に伴いシーズン途中からドルトムントの指揮を執ることとなっている青年指揮官は、この短期間でチームを上昇気流に乗せることに成功したのか。エディン・テルジッチ監督の就任以降、黄色軍団の調子が上がってきた。

前政権下ではそれほど希望の見えないサッカーに終始し、停滞感が否めなかったドルトムント。しかし、テルジッチ監督の登板で、彼らは採用する戦術やシステムの整理が進んだ。選手一人ひとりの役割が明確となり、ゲームの中でやりたいことがハッキリしたのだ。「以前よりも、事は計画的に運んでいるね。エディンは僕らに欠けていたものをもたらしてくれたんだ」。先日はGKロマン・ビュルキもテルジッチ監督の手腕をこのように称えており、38歳の指揮官に対する周囲の評価は日を追うごとに上昇している。

ライプツィヒ戦でも重要なゴールを挙げたサンチョは波に乗って来たか photo/Getty Images

選手の役割が明確に

そんなテルジッチ監督に指揮官が交代して、最も変わった選手は誰か。おそらく、それはFWジェイドン・サンチョとMFマルコ・ロイスのどちらかだろう。今季前半戦、ファブレ監督の下で不調に喘いでいた両選手だが、新指揮官の就任以降は以前と見違えるようなパフォーマンスを披露している。そんな2人の復調に寄与したテルジッチ監督について、現在ドルトムントのプロ選手部門担当を任されている元主将のセバスチャン・ケール氏が言及。同氏は独『Sky Sport』に対して次のように語っている。

「ジェイドンとマルコは両方とも、自分がもっとうまくやれることを理解していた。そして、そのせいでさらに集中しなければならないと気負っていたんだ。そして、以前は何から改善すべきか迷っている節も見受けられたね。だが、エディンは彼らの仕事を明確にして、その迷いを払拭させた。結局、彼らに必要だったのは個人的な達成感だったんだ。エディンはそのあたりをうまくマネジメントしたね。この2人が調子を取り戻すことができたのは、明らかに彼のおかげだ。今では選手からとても信頼される存在になっているね」

今季、ファブレ体制下ではイマイチその真価を発揮できていなかったサンチョとロイスだが、テルジッチ監督の下で自身の役割が明確になったことが現在の復調につながったか。前半戦は1ゴールのみにとどまったサンチョは、年明けのヴォルフスブルク戦で1G1Aの活躍を見せると、続くライプツィヒ戦でも1G1Aの大活躍。ロイスもトップ下としてスペースを使ったり作ったりと、味方を活かす動きを迷いなく遂行した結果、ライプツィヒ戦で2つのアシストを記録している。

シンプルだが、重要な戦術整理を敢行したことで主力選手の調子を上向かせることに成功したドルトムントの新指揮官。まだ現時点で評価を下すのは時期尚早と言えるが、ドイツの強豪を率いる青年監督の手腕は本物かもしれない。

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